新生児呼吸窮迫症候群の徴候|第106回医師国家試験B48

第106回医師国家試験 B48(2012年)

正答:a・c・d

問題

生後16時間の新生児。在胎28週0日、体重1,220 gで出生した。Apgarスコア7点(1分)、8点(5分)。多呼吸とチアノーゼとをきたしている。

他に認められる可能性が高いのはどれか。3つ選べ。

a.呻吟

b.喘鳴

c.陥没呼吸

d.鼻翼呼吸

e.吸気時間の延長

正答の理由

在胎28週の早産児で出生後早期から多呼吸とチアノーゼがみられ、肺サーファクタント欠乏による呼吸窮迫症候群(RDS)が最も考えられます。RDSでは肺胞が虚脱しやすく、出生直後〜数時間以内から多呼吸・呼気時の呻吟・胸骨上窩や肋間・剣状突起下の陥没呼吸・鼻翼呼吸が出現し、進行するとチアノーゼや無呼吸を来します。呻吟は声門を狭めて呼気終末の肺胞虚脱を防ごうとする代償反応です。

各選択肢の検討

a.呻吟。正しい。呼気時に声門を半ば閉じて呼気終末圧を保ち、虚脱しやすい肺胞を開いておこうとするRDSの代表的な徴候です。

b.喘鳴。誤り。喘鳴は気道狭窄(喉頭・気管・気管支の狭窄や分泌物)で生じる音で、肺胞虚脱が本態のRDSの典型的な徴候ではありません。

c.陥没呼吸。正しい。コンプライアンスの低い硬い肺を膨らませるため強い吸気陰圧が必要となり、柔らかい新生児の胸壁が胸骨上窩・肋間・剣状突起下で陥没します。

d.鼻翼呼吸。正しい。呼吸仕事量の増大に伴い補助的に鼻孔を広げて気道抵抗を下げようとする努力呼吸の徴候で、RDSでよくみられます。

e.吸気時間の延長。誤り。吸気時間の延長は上気道閉塞(喉頭軟化症やクループなど)に特徴的です。RDSでは浅く速い多呼吸となり、吸気が延長するわけではありません。

覚えるポイント

早産児の呼吸窮迫症候群は多呼吸・呻吟・陥没呼吸・鼻翼呼吸・チアノーゼを示す。吸気延長や喘鳴は気道狭窄の所見。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました