第106回医師国家試験 B37(2012年)
正答:a・b
問題
災害拠点病院について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.広域災害医療に対応する。
b.医療救護班の派遣機能を持つ。
c.救急救命士を配置する必要がある。
d.免震構造であることが指定要件である。
e.災害発生現場に最も近い病院が指定される。
正答の理由
災害拠点病院は平成8年の通知(健政発第451号「災害時における初期救急医療体制の充実強化について」)に基づいて整備され、都道府県が指定します。24時間の緊急対応、被災地からの重症傷病者の受入れ拠点となること(ヘリコプターによる広域搬送を含む)、医療チーム(現在はDMAT)の派遣体制、地域の医療機関への支援などが求められます。施設は「耐震構造」を有することが要件で、免震構造に限定されていません。出題は2012年2月で、同年3月の医政発0321第2号による指定要件改正の直前ですが、a(広域搬送・受入れ拠点)とb(医療救護チームの派遣)は旧通知本文に明記され、新要件でも維持されています。
各選択肢の検討
a.広域災害医療に対応する。:正しい(正答)。出題当時の通知(健政発第451号)は、災害拠点病院に広域搬送への対応機能を求め、被災地からの重症傷病者の受入れ拠点となり、被災地内外の災害拠点病院間でヘリコプターによる傷病者・医療物資の搬送を行える機能を指定要件としていました。
b.医療救護班の派遣機能を持つ。:正しい(正答)。同通知は「自己完結型の医療救護チームの派遣機能」を挙げ、指定要件として消防機関と連携した医療救護班の派遣体制と、医療救護チームの派遣に必要な緊急車輌を求めていました。現在の要件ではDMATの保有と派遣体制が求められています。
c.救急救命士を配置する必要がある。:誤り。出題当時の指定要件は24時間の緊急対応体制、傷病者の受入れ・搬出、医療救護班の派遣体制、耐震構造、ヘリコプター離着陸場などで、救急救命士の配置は要件に含まれていません(現行要件も同様です)。
d.免震構造であることが指定要件である。:誤り。旧通知(健政発第451号)の指定要件は「施設は耐震構造を有するとともに、水、電気等のライフラインの維持機能を有すること」、現行要件でも「診療機能を有する施設は耐震構造を有すること」で、免震構造は必須ではありません。
e.災害発生現場に最も近い病院が指定される。:誤り。災害発生前に、指定要件を満たす病院を都道府県があらかじめ指定します(地域災害医療センターは原則として二次医療圏ごと、基幹災害医療センターは原則として都道府県ごと)。発災場所によって決まるものではありません。
覚えるポイント
災害拠点病院:都道府県が事前指定、24時間対応・重症者受入れと広域搬送・DMAT(医療チーム)派遣・耐震構造・自家発電・ヘリポート。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省: 災害拠点病院指定要件の一部改正について(医政発0228第1号、令和5年2月28日、別紙 災害拠点病院指定要件)
- 厚生労働省: 災害医療等のあり方に関する検討会の概要について(資料3、健政発第451号の現状と今後の方針)
- 厚生労働省: 第4回災害医療等のあり方に関する検討会 参考資料1(健政発第451号「災害時における初期救急医療体制の充実強化について」平成8年5月10日、別紙 災害拠点病院指定要件)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。