第106回医師国家試験 B34(2012年)
正答:c
問題
臓器の移植に関する法律の平成21年改正によって、初めて可能となったのはどれか。
a.遺族の同意のない臓器摘出
b.親族以外への臓器の優先提供
c.15歳未満の者からの臓器提供
d.臓器移植を目的とした海外渡航
e.脳死した者の身体からの臓器摘出
正答の理由
平成21年7月の改正(全面施行は平成22年7月17日)で、本人の臓器提供の意思が不明な場合でも家族(遺族)が書面で承諾すれば脳死下での臓器提供ができるようになりました。改正前の要件(本人の書面による提供意思の表示が前提)は維持しつつ本人意思不明の場合の家族承諾が加わったことで、厚生労働省の説明どおり「15歳未満の方からの臓器提供も可能」になりました。
各選択肢の検討
a.遺族の同意のない臓器摘出:誤り。改正後も、本人の書面による提供意思があっても遺族が拒まないこと(または遺族がないこと)、本人意思が不明なら遺族の書面による承諾が要件です。
b.親族以外への臓器の優先提供:誤り。改正で新設されたのは「親族への」優先提供の意思表示(書面)です。親族以外の特定の人への優先提供は認められていません。
c.15歳未満の者からの臓器提供:正しい(正答)。本人意思が不明でも家族の書面承諾で提供できるようになり、15歳未満の者からの臓器提供が可能になりました。
d.臓器移植を目的とした海外渡航:誤り。法改正で新たに可能になった事項ではありません。改正の内容は臓器摘出・脳死判定の要件、親族への優先提供、普及・啓発(意思表示欄)などで、海外渡航移植を可能にする規定ではありません。
e.脳死した者の身体からの臓器摘出:誤り。脳死した者の身体からの臓器摘出は平成9年の法施行当初から(本人の書面による意思表示などを要件として)可能でした。
覚えるポイント
平成21年改正:本人意思不明でも家族承諾で脳死下提供可・15歳未満から提供可・親族優先提供の意思表示・免許証/保険証への意思表示欄。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省: 臓器移植関連情報(平成22年7月17日からの改正のポイント)
- 厚生労働省: 臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律の概要
- e-Gov法令検索: 臓器の移植に関する法律
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。