作業関連疾患の組合せ|第106回医師国家試験B17

第106回医師国家試験 B17(2012年)

正答:c

問題

作業とその影響の組合せで誤っているのはどれか。

a.VDT作業――頸肩腕症候群

b.長時間労働――自殺

c.鉛取扱い作業――再生不良性貧血

d.石綿取扱い作業――肺線維症

e.振動工具取扱い作業――末梢循環不全

正答の理由

鉛はヘム合成の酵素を阻害してヘモグロビン形成を妨げ、貧血(小球性・好塩基性斑点赤血球を伴う)をきたしますが、骨髄全体が低形成になる再生不良性貧血の原因ではありません。職業性に再生不良性貧血をきたす化学物質の代表はベンゼンです。

各選択肢の検討

a.VDT作業――頸肩腕症候群。正しい組合せ。情報機器作業の健康診断では「上肢、頸肩腕部及び腰背部を主とする筋骨格系の症状」を確認項目としています。

b.長時間労働――自殺。正しい組合せ。過労死等防止対策推進法は「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡」を過労死等に含めています。

c.鉛取扱い作業――再生不良性貧血。誤り(これが正答)。鉛中毒の貧血はヘモグロビン合成障害によるもので、再生不良性貧血の化学的原因はベンゼンなどです。

d.石綿取扱い作業――肺線維症。正しい組合せ。石綿肺は石綿曝露による間質性肺線維症です。

e.振動工具取扱い作業――末梢循環不全。正しい組合せ。振動はRaynaud現象の原因の一つで、振動障害では手指の蒼白発作(白ろう病)などの末梢循環障害が生じます。

覚えるポイント

鉛=ヘム合成障害による貧血・腹痛・末梢神経障害、ベンゼン=再生不良性貧血・白血病、石綿=石綿肺・中皮腫、振動=レイノー現象。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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