下部尿路の神経支配|第106回医師国家試験B5

第106回医師国家試験 B5(2012年)

正答:c

問題

尿路の機能について誤っているのはどれか。

a.尿管は蠕動運動で尿を輸送する。

b.陰部神経は蓄尿に関与する。

c.閉鎖神経は排尿に関与する。

d.前立腺にはα1受容体が分布する。

e.外尿道括約筋は随意筋である。

正答の理由

下部尿路は、骨盤神経(副交感神経:排尿筋収縮→排尿)、下腹神経(交感神経:膀胱弛緩・膀胱頸部/尿道収縮→蓄尿)、陰部神経(体性神経:外尿道括約筋収縮→蓄尿)の3つで支配されます。閉鎖神経は腰神経叢から出て大腿内転筋群を支配する運動神経で、排尿には関与しません。

各選択肢の検討

a.尿管は蠕動運動で尿を輸送する。正しい。尿管壁平滑筋の協調した収縮(蠕動)が尿を膀胱へ送り、逆流も防ぎます。

b.陰部神経は蓄尿に関与する。正しい。陰部神経のコリン作動性線維が外尿道括約筋(横紋筋)を収縮させて尿禁制を保ちます。排尿時には骨盤神経の興奮に伴い陰部神経の出力が抑制され、括約筋が弛緩します。

c.閉鎖神経は排尿に関与する。誤り(これが正答)。閉鎖神経は大腿内転筋群を支配する神経です。経尿道的膀胱腫瘍切除術で膀胱側壁近くを走る閉鎖神経が刺激され内転筋が収縮する(閉鎖神経反射)ことはあっても、排尿機能には関与しません。

d.前立腺にはα1受容体が分布する。正しい。前立腺平滑筋の緊張はα1受容体を介して高まるため、前立腺肥大症ではα1遮断薬(タムスロシンなど)で排尿障害を改善します。

e.外尿道括約筋は随意筋である。正しい。外尿道括約筋は横紋筋で、陰部神経(体性神経)支配のため意識的に締めたり緩めたりできます。

覚えるポイント

蓄尿=下腹神経(交感)+陰部神経(体性)、排尿=骨盤神経(副交感)。閉鎖神経は大腿内転筋。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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