第106回医師国家試験 B3(2012年)
正答:b
問題
幼児における即時型食物アレルギーの診断で最も有用なのはどれか。
a.食物除去試験
b.食物負荷試験
c.特異的IgE検査
d.リンパ球刺激試験
e.皮膚プリックテスト
正答の理由
特異的IgE抗体や皮膚テストの陽性は「感作」を示すだけで、実際に症状が出るかとは必ずしも一致しません。原因食物を実際に摂取させて症状の有無を確認する食物経口負荷試験(OFC)は、即時型反応の原因食物の確定診断に用いられる検査であり、最も有用です。
各選択肢の検討
a.食物除去試験。誤り。疑わしい食物を一定期間除去して症状の改善をみる方法で、主に食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎で行われます。除去で改善しても最終的にはOFCで判断するとされ、即時型の確定診断法ではありません。
b.食物負荷試験。正しい(これが正答)。食物を単回または分割して摂取させ症状誘発を確認する検査で、「即時型反応を起こした原因として疑われる食物の診断」が目的の一つに挙げられています。
c.特異的IgE検査。誤り。感度は高いものの、陽性は感作を意味するにすぎず、症状出現とは必ずしも一致しません。交差抗原性による偽陽性もあり、単独では確定できません。
d.リンパ球刺激試験。誤り。T細胞の反応をみる検査で主に薬剤アレルギー(遅延型)の評価に用いられます。IgE依存性の即時型食物アレルギーの診断手順(特異的IgE・皮膚テスト・OFC)には含まれません。
e.皮膚プリックテスト。誤り。特異的IgE抗体検査と同様に感度は高いがOFCに比べて特異度は低く、陽性だけでは確定診断になりません(乳児や口腔アレルギー症候群では補助検査として有用)。
覚えるポイント
特異的IgE・プリックテストは「感作」の確認、確定診断は食物経口負荷試験。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2023
- MSD Manual Professional Edition: Food Allergy
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。