CRRT(CHDF)のブラッドアクセス部位|第106回医師国家試験B1

第106回医師国家試験 B1(2012年)

正答:d

問題

多臓器不全患者の集中治療で適用される持続的血液濾過透析〈CHDF〉について、カテーテルを留置するために穿刺する部位で適切なのはどれか。

a.腕頭静脈

b.前腕皮静脈

c.下大静脈

d.大腿静脈

e.大伏在静脈

正答の理由

CHDFなどの持続的腎代替療法では、太いダブルルーメンの非カフ型透析用カテーテルを中心静脈に経皮的に留置して十分な血流量を確保します。KDIGO急性腎障害ガイドラインは、透析用カテーテルの穿刺静脈の優先順を「右内頸静脈→大腿静脈→左内頸静脈→鎖骨下静脈」としており、選択肢の中で直接穿刺して留置する部位として適切なのは大腿静脈です。

各選択肢の検討

a.腕頭静脈。誤り。腕頭静脈は内頸静脈と鎖骨下静脈が合流した胸郭内の静脈で、体表から直接穿刺する部位ではありません。内頸静脈や鎖骨下静脈から挿入したカテーテルの先端が通過・到達する血管です。

b.前腕皮静脈。誤り。末梢の皮静脈は口径が細く、透析に必要な血流量を得られません。末梢静脈路は輸液用であり、CHDF用のダブルルーメンカテーテルは留置できません。

c.下大静脈。誤り。下大静脈は後腹膜の深部にあり直接穿刺はしません。大腿静脈から挿入したカテーテルの先端が下大静脈方向へ進むことはあっても、穿刺部位ではありません。

d.大腿静脈。正しい(これが正答)。KDIGOガイドラインで右内頸静脈に次ぐ第2選択とされる穿刺部位です。気胸の危険がなく、重症患者でも仰臥位のまま穿刺しやすい一方、感染や血栓に注意が必要です。

e.大伏在静脈。誤り。下肢の表在静脈で口径・血流が不十分です。透析用バスキュラーアクセスとしてカテーテルを留置する部位ではありません(静脈グラフトの材料として使われることはあります)。

覚えるポイント

急性期の透析用カテーテルは右内頸静脈→大腿静脈→左内頸静脈→鎖骨下静脈(最後)の順に選ぶ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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