第106回医師国家試験 A6(2012年)
正答:e
問題
健常の若年成人女性に比較し、閉経後の女性で高値を示すことが多いのはどれか。
a.糸球体濾過量
b.末梢血白血球数
c.血中アンモニア
d.血清総ビリルビン
e.血清総コレステロール
正答の理由
エストロゲンは肝のLDL受容体発現を高めてLDLコレステロールを下げる方向に働きます。閉経でエストロゲンが低下するとLDLコレステロールが上昇し、総コレステロールも高値となります。閉経後に冠動脈疾患が増える一因と考えられています。
各選択肢の検討
a.糸球体濾過量。誤り。加齢とともに腎血流・腎実質量が減り、糸球体濾過量はむしろ低下します。
b.末梢血白血球数。誤り。白血球数が増えるのは感染・炎症・薬剤などの病的・外的要因によるもので、閉経後に高値となる代表的な検査値ではありません。
c.血中アンモニア。誤り。腸管で生じたアンモニアは肝で解毒されるため、上昇するのは肝不全や門脈体循環短絡のときです。閉経によって起こる変化ではありません。
d.血清総ビリルビン。誤り。ビリルビン上昇は産生増加(溶血)や肝での取り込み・抱合・排泄の障害で起こり、閉経後に高値となる代表的な検査値ではありません。
e.血清総コレステロール。正しい。閉経後はLDLコレステロールが上昇し(HDLはほぼ不変)、総コレステロールが高値になりやすくなります。
覚えるポイント
閉経後はエストロゲン低下でLDL(総)コレステロールが上昇し、動脈硬化性疾患が増える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- MSD Manual Professional Edition: Menopause
- MSD Manual Professional Edition: Physical Changes With Aging
- MSD Manual Professional Edition: Portosystemic Encephalopathy
- MSD Manual Professional Edition: Jaundice
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。