第105回医師国家試験 H33(2011年)
正答:e
問題
62歳の女性。呼吸困難のため搬入された。
現病歴:朝食前の散歩中に誤って転倒し右腰部を打撲した。帰宅後、痛みが強くなったためアスピリン製剤を内服した。それまでアスピリン製剤を服用したことはなかった。その後、次第に息苦しさを感じるようになり、立っていられなくなったため救急車を要請した。
既往歴:小児期に副鼻腔炎。
生活歴:飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現症:意識は清明。身長152 cm、体重50 kg。体温36.8℃。呼吸数18/分、呼気の延長を認める。脈拍108/分、整。血圧128/82 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)86%。心音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫はなく、皮膚の色調に異常を認めない。
この病態に特徴的な所見はどれか。
a.coarse crackles
b.fine crackles
c.pleural friction rub(胸膜摩擦音)
d.stridor
e.wheezes
正答の理由
アスピリン内服後に呼気延長を伴う呼吸困難が生じており、NSAIDs過敏喘息発作が疑われる。気道狭窄に伴う連続性の高い笛声音であるwheezesが特徴的で、断続性ラ音や胸膜摩擦音、吸気性喘鳴とは異なる。
各選択肢の検討
a.coarse crackles。誤り。coarse cracklesは分泌物を伴う気道・肺胞病変などで聴かれ、喘息発作の典型音ではない。
b.fine crackles。誤り。fine cracklesは間質性肺疾患や肺水腫などで聴かれる。
c.pleural friction rub(胸膜摩擦音)。誤り。胸膜摩擦音は胸膜炎など胸膜面の炎症を示す。
d.stridor。誤り。stridorは主に上気道狭窄による吸気性雑音である。
e.wheezes。正しい。気管支攣縮による呼気性の笛声音で、喘息発作に特徴的。
覚えるポイント
NSAIDs誘発喘息は気管支攣縮を起こし、呼気性wheezesを呈する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。