第105回医師国家試験 H26(2011年)
正答:d
問題
32歳の女性。咽頭痛と呼吸困難とを主訴に来院した。昨夜から咽頭痛が出現し、強い嚥下痛のため食事がとれなくなった。今朝から呼吸困難を自覚し、その後、急激に増悪している。体温38.9℃。苦しくて横になれず、吸気時に強い喘鳴がある。喉頭内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
まず行うのはどれか。
a.仰臥位安静
b.内視鏡的鉗子生検
c.抗ウイルス薬投与
d.輪状甲状軟骨間膜切開
e.経鼻経腸栄養チューブ挿入

正答の理由
発熱、強い咽頭痛・嚥下痛、急速に進行する吸気性喘鳴と喉頭蓋の腫脹から急性喉頭蓋炎による上気道閉塞が切迫している。気道確保を最優先し、ここでは輪状甲状軟骨間膜切開を選ぶ。
画像の見方
別冊No.3。喉頭蓋が発赤・腫脹して声門の視認が妨げられている。
各選択肢の検討
a.仰臥位安静。誤り。仰臥位で呼吸困難が増悪し、体位を強制すると気道閉塞の危険がある。
b.内視鏡的鉗子生検。誤り。生検は気道を刺激し閉塞を悪化させうる。
c.抗ウイルス薬投与。誤り。急性喉頭蓋炎は細菌感染が典型で、抗ウイルス薬が救命処置ではない。
d.輪状甲状軟骨間膜切開。正しい。急速な上気道閉塞が切迫しており直ちに気道を確保する。
e.経鼻経腸栄養チューブ挿入。誤り。経管栄養チューブ挿入は気道確保を遅らせ危険である。
覚えるポイント
急性喉頭蓋炎で呼吸窮迫が急速に進む場合、診断目的の操作より気道確保を優先する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。