第105回医師国家試験 G9(2011年)
正答:e
問題
環境問題とその影響の組合せで正しいのはどれか。
a.砂漠化―マラリア分布域の拡大
b.酸性雨―皮膚癌の増加
c.地球温暖化―白内障の増加
d.熱帯林伐採―花粉症の増加
e.フロン類放出―光化学オキシダント生成の増加
正答の理由
公式正答はeです。CFCなどのオゾン層破壊物質が放出されると、成層圏オゾンの減少を介して地表に届くUV-Bが増えます。UNEPの2002年評価報告では、この紫外線増加により、NOxなどの前駆物質が存在する汚染地域では、光化学オキシダントの主成分である対流圏オゾンが増える場合があるとされています。したがってeは、この条件下の間接的な影響として説明できます。ただし、NOxの少ない環境では逆にオゾンが減る場合もあり、あらゆるフロン類・地域で一律に成立する関係ではありません。
各選択肢の検討
a.誤り。マラリア媒介蚊の分布域拡大は主に気温・降水などの変化と関連し、砂漠化との直接的な組合せではありません。
b.誤り。皮膚癌の増加は酸性雨ではなく、オゾン層破壊に伴う紫外線増加などと関連します。
c.誤り。白内障リスクの増加は紫外線曝露と関連し、地球温暖化そのものの代表的影響ではありません。
d.誤り。熱帯林伐採が花粉症増加へ直結する関係ではありません。
e.公式正答。CFCなどによるオゾン層破壊に伴うUV-B増加は、汚染地域では対流圏オゾンの生成を促進する場合があります。NOx濃度や炭化水素類、気象条件などに依存する間接影響であり、フロンそのものを光化学オキシダントの主な前駆物質とする説明ではありません。
覚えるポイント
公式正答はe。CFCなど→オゾン層破壊→UV-B増加→汚染地域での対流圏オゾン増加、という条件付きの間接影響を理解する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第105回医師国家試験問題および正答
- Environmental Effects of Ozone Depletion and its Interactions with Climate Change: 2002 Assessment
- フロンによるオゾン層の破壊
- オゾン層・紫外線
- 光化学スモツグの発生防止等に関する暫定措置について
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。