第105回医師国家試験 F27(2011年)
正答:e(正解者のみ採点)
問題
次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
4か月の乳児。体重増加不良と発達遅延の疑いとを主訴に来院した。
現病歴:生後数時間から心雑音が聴取され、7 mmの欠損孔を有する心室中隔欠損症と診断された。生後2週から利尿薬を内服している。この1か月の体重の増加は約300 gであった。
発育・発達歴:在胎38週2日、3,240 gで出生。追視は可能、頸定は十分でない。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現症:体動は活発。身長64.2 cm、体重4.8 kg。体温37.1 ℃。呼吸数60/分。心拍数132/分、整。右肋骨弓下に肝を2.5 cm触知する。
検査所見:胸部エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。
27 この児の胸部聴診所見で認められるのはどれか。
a.I音の亢進
b.II音の減弱
c.連続性雑音
d.肺動脈駆出音
e.拡張期ランブル

正答の理由
公式正答はe(拡張期ランブル)である。心室中隔欠損による左→右短絡で肺血流が増えると、僧帽弁を通る拡張期血流も増加し、心尖部に拡張期ランブルが聴取されうる。厚生労働省の採点処理は「正解者のみ採点に含め、不正解者は採点対象から除外」であり、公式正答eを維持する。
画像の見方
胸部画像は心拡大と肺血流増加を示し、心室中隔欠損に伴う血行動態を支持する。
各選択肢の検討
a.I音の亢進。誤り。I音は主に房室弁の閉鎖に伴う音で、僧帽弁狭窄などで亢進する。心室中隔欠損で増加する僧帽弁通過血流から予測するのは拡張期ランブルである。
b.II音の減弱。誤り。肺血流増加を伴う心室中隔欠損ではII音の肺動脈成分はむしろ亢進しうる。II音の減弱は本例で予測する所見ではない。
c.連続性雑音。誤り。連続性雑音は動脈管開存などで典型的で、心室中隔欠損では通常、胸骨左縁の全収縮期雑音が中心となる。
d.肺動脈駆出音。誤り。肺動脈弁狭窄などで認める音であり、本例にはその弁病変を示す情報がない。肺血流増加による僧帽弁流入増加とは機序が異なる。
e.拡張期ランブル。正しい。左→右短絡で肺血流が増えると僧帽弁を通過する血流も増加し、心尖部の拡張期ランブルを生じうる。
覚えるポイント
心室中隔欠損では左→右短絡の量に応じて肺血流が増え、心不全所見や僧帽弁流入増加による拡張期ランブルを生じる。採点は正解者のみ対象で、全員除外ではない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第105回医師国家試験問題および正答
- Ventricular Septal Defect (VSD) – Pediatrics – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。