第105回医師国家試験 E36(2011年)
正答:d・e
問題
経腟分娩で児娩出後に癒着胎盤が疑われる徴候はどれか。2つ選べ。
a.臍帯が下降する。
b.出血量が増加する。
c.産婦が便意を訴える。
d.子宮底に与えた振動が臍帯に響く。
e.恥骨結合上部の圧迫で臍帯が上昇する。
正答の理由
公式正答はd、e。胎盤が子宮壁から剥離していないと、子宮底に与えた振動が臍帯へ伝わり、恥骨上部から子宮を押すと臍帯が上昇する。剥離後は子宮底が上昇・硬化し、臍帯が下降して圧迫で臍帯が上昇しなくなる。
各選択肢の検討
a.臍帯が下降する。誤り。臍帯の下降は胎盤が剥離して子宮口側へ移動した徴候である。
b.出血量が増加する。誤り。胎盤剥離時にも出血はみられ、出血量の増加だけでは胎盤が未剥離であることを示さない。癒着胎盤でも出血し得るが、本問では剥離していないことを示すd、eを選ぶ。
c.産婦が便意を訴える。誤り。剥離した胎盤が腟内へ下降すると直腸が圧迫され、便意や努責感を訴えることがある。胎盤が子宮壁に付着したままであることを示す徴候ではない。
d.子宮底に与えた振動が臍帯に響く。正しい。胎盤が子宮壁に付着したままなら、子宮底への振動が胎盤・臍帯へ伝わる。
e.恥骨結合上部の圧迫で臍帯が上昇する。正しい。胎盤が未剥離の状態では子宮を上方へ押す力が臍帯にも伝わり、臍帯が上昇する。
覚えるポイント
胎盤剥離の診察では、臍帯の下降、子宮底の上昇・硬化、子宮を押したときの臍帯の反応を確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。