頭頸部放射線治療の急性口腔合併症|第105回医師国家試験B49

第105回医師国家試験 B49(2011年)

正答:b・c・e

問題

66歳の男性。咽頭違和感と嚥下痛とを主訴に来院した。扁桃に表面不整の腫瘍を認め、扁平上皮癌(T2N1M0)の診断で、上咽頭から鎖骨上部の範囲に放射線治療を行った。口腔内写真(別冊No.6A、B)を別に示す。治療直後からみられる合併症はどれか。3つ選べ。

a.白内障

b.咽頭痛

c.味覚障害

d.嗅覚障害

e.唾液分泌低下

口腔内写真。放射線治療開始前の咽頭・口腔病変。
別冊No.6A / 出典:厚生労働省・第105回B別冊(原本の該当ページ)
口腔内写真。放射線治療終了時の口腔・咽頭粘膜。
別冊No.6B / 出典:厚生労働省・第105回B別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

照射範囲が上咽頭から鎖骨上部に及ぶため、口腔・咽頭粘膜と唾液腺、味蕾への影響が起こり得る。照射後早期には粘膜炎による咽頭痛、味覚変化、唾液分泌低下がみられる。白内障は眼への照射による晩期障害であり、この照射野の早期合併症ではない。

画像の見方

別冊No.6Aは初診時、No.6Bは治療終了時の口腔内写真である。設問は照射後早期の合併症を問う。

各選択肢の検討

a.白内障。白内障は眼への被曝に関連する晩期障害で、この照射野で直後に想定する合併症ではない。

b.咽頭痛。正しい。頭頸部照射では口腔・咽頭粘膜炎が起こり、疼痛や嚥下痛が現れる。

c.味覚障害。正しい。頭頸部放射線治療では味蕾や口腔環境への影響で味覚障害が生じる。

d.嗅覚障害。嗅覚障害はこの照射の代表的な急性合併症ではない。

e.唾液分泌低下。正しい。唾液腺に照射が及ぶと分泌量が低下し、口腔乾燥を生じる。

覚えるポイント

照射範囲が上咽頭から鎖骨上部に及ぶため、口腔・咽頭粘膜と唾液腺、味蕾への影響が起こり得る。照射後早期には粘膜炎による咽頭痛、味覚変化、唾液分泌低下がみられる。白内障は眼への照射による晩期障害であり、この照射野の早期合併症ではない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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