有棘細胞癌の発生母地となった光線角化症|第105回医師国家試験A41

第105回医師国家試験 A41(2011年)

正答:c

問題

92歳の女性。左頬部の結節を主訴に来院した。5年前から同部に「赤い皮疹」があったが受診しなかった。主訴である結節は、この「赤い皮疹」が発生母地になっていると考えられた。左頬部の写真(別冊No.13A)と生検組織のH-E染色標本(別冊No.13B)とを別に示す。

「赤い皮疹」の診断名として考えられるのはどれか。

a.血管肉腫

b.菌状息肉症

c.光線角化症

d.Merkel細胞癌

e.乳房外Paget病

左頬部の紅斑性結節性皮膚病変。
別冊No.13A / 出典:厚生労働省・第105回A別冊(原本の該当ページ)
皮膚生検H-E標本。浸潤性扁平上皮細胞と多数の角化真珠を認める。
別冊No.13B / 出典:厚生労働省・第105回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

長年の日光曝露を受ける顔面の紅斑性病変を母地として、角化を伴う結節性腫瘍が生じています。組織像では角化を伴う浸潤性扁平上皮癌が疑われ、前駆病変として最も考えられるのは光線角化症です。

画像の見方

Aは顔面の日光曝露部にある紅色病変、Bは角化真珠を伴う浸潤性扁平上皮癌の組織像。

各選択肢の検討

a.血管肉腫。血管肉腫は血管内皮由来の悪性腫瘍で、角化性日光障害病変とは異なります。

b.菌状息肉症。菌状息肉症は皮膚T細胞リンパ腫で、光線角化症とは別疾患です。

c.光線角化症。光線角化症は慢性紫外線曝露による角化病変で、有棘細胞癌の前駆病変となり得ます。

d.Merkel細胞癌。Merkel細胞癌は神経内分泌系皮膚癌で、光線角化症を母地とする病変ではありません。

e.乳房外Paget病。乳房外Paget病は腺系上皮内病変で、光線角化症とは異なります。

覚えるポイント

光線角化症は日光曝露部に生じる前癌病変で、皮膚有棘細胞癌へ進展することがある。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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