顔面の丹毒|第104回医師国家試験I72

第104回医師国家試験 I72(2010年)

正答:a

問題

62歳の女性。顔面の発疹と発熱とを主訴に来院した。2日前に突然、右耳介、右頬部および右側頸部に発赤が出現し、悪寒と戦慄とがみられた。体温38.2 ℃。顔面の写真(別冊No. 24)を別に示す。

治療薬として適切なのはどれか。

a.抗菌薬

b.抗真菌薬

c.抗ウイルス薬

d.抗ヒスタミン薬

e.副腎皮質ステロイド

別冊No.24 顔面の写真。右耳介から頬部、下顎にかけて、光沢のある鮮紅色の紅斑が広がり、水疱はみられない。
別冊No.24 / 出典:厚生労働省・第104回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

悪寒戦慄と発熱を伴い、右耳介から頬部、頸部に急に広がる、境界明瞭で光沢のある紅斑で、水疱はありません。丹毒です。主にA群β溶血性連鎖球菌による真皮浅層の感染で、連鎖球菌に有効な抗菌薬で治療します。

画像の見方

右耳介、右頬部、下顎部に広がる光沢のある紅斑を認め、耳介も赤い。水疱や痂皮は目立たない。

各選択肢の検討

a.抗菌薬。正しい。ペニシリンやアモキシシリン、セファレキシンなど連鎖球菌に有効な薬を内服または注射で用います。全身症状が強ければ注射を選びます。

b.抗真菌薬。誤り。白癬やカンジダの治療薬です。悪寒戦慄を伴って急に出現した有熱性の紅斑は細菌感染の像です。

c.抗ウイルス薬。誤り。帯状疱疹なら抗ウイルス薬を用いますが、痛みに続いて皮膚分節に沿う水疱が出るのが特徴です。写真に水疱はみられません。

d.抗ヒスタミン薬。誤り。蕁麻疹などの痒みに使います。原因菌の感染そのものを治療できず、発熱と悪寒戦慄の説明もつきません。

e.副腎皮質ステロイド。誤り。炎症を抑えても細菌感染は治らないので、治療の主体になりません。丹毒の治療は抗菌薬です。

覚えるポイント

発熱と悪寒戦慄を伴う境界明瞭な顔面の紅斑は丹毒。連鎖球菌に有効な抗菌薬で治療する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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