第104回医師国家試験 I59(2010年)
正答:b
問題
68歳の女性。6か月前からの右膝の疼痛と腫脹とを主訴に来院した。膝関節痛は夜間と階段昇降時に増強する。右膝のエックス線写真(別冊No. 15)を別に示す。
診断に最も有用なのはどれか。
a.CT
b.MRI
c.関節造影
d.超音波検査
e.骨シンチグラフィ

正答の理由
高齢女性の夜間痛と荷重時痛で、単純写真では大腿骨遠位の骨内に境界のある硬化像がみられ、内側顆の関節面近くの硬化と内側関節裂隙の狭小もみられます。骨壊死をまず考えますが、総説でも鑑別に腫瘍や変形性関節症が挙げられ、単純写真1枚では区別できません。膝骨壊死の総説では、MRIは感度が高く、骨髄浮腫や軟骨下病変を早期から描出でき、骨シンチグラフィはMRIより感度・特異度が低いとされています。本解説では疾患名を断定せず、MRIで病変の広がりと性状を確認すると理解します。
画像の見方
大腿骨遠位の骨幹端から骨端にかけて境界のある硬化像を認める。内側顆の関節面近くに硬化があり、内側関節裂隙は狭い。腓骨が画面左にあるため、画面右を内側と判断した。
各選択肢の検討
a.CT。誤り。一般に骨皮質や骨片の評価に役立ちますが、総説がMRIの利点とする骨髄浮腫の描出には向きません。
b.MRI。正しい。骨髄内病変の広がり、軟骨下の変化、半月板や関節軟骨を一度に評価できます。
c.関節造影。誤り。一般に関節腔内の輪郭を映す検査で、侵襲を伴い、骨内病変の評価には向きません。
d.超音波検査。誤り。一般に関節液や軟部組織の評価に用いる検査で、超音波は骨表面で反射されるため骨髄病変の評価には向きません。
e.骨シンチグラフィ。誤り。病変部の集積はわかりますが、総説でもMRIより感度・特異度が低く、MRIが撮れない場合に用いるとされます。
覚えるポイント
膝の夜間痛で骨内の硬化像があれば、骨壊死や腫瘍の鑑別のためMRIを優先する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。