肥厚性幽門狭窄症の確定診断|第104回医師国家試験I44

第104回医師国家試験 I44(2010年)

正答:d

問題

生後1か月の乳児。嘔吐を主訴に来院した。生後3週ころから哺乳後にミルクを嘔吐するようになり、その頻度と量が増加している。それまでの体重増加は順調であったが、最近の1週間は体重増加が止まっている。患児の上腹部の写真(別冊No. 5)を別に示す。

診断確定のために行うのはどれか。

a.腹腔穿刺

b.注腸造影

c.腹部単純 CT

d.腹部超音波検査

e.上部消化管内視鏡検査

別冊No.5 乳児の胸腹部の写真。上腹部が左右に区切られるように盛り上がり、胃の蠕動波を思わせる。
別冊No.5 / 出典:厚生労働省・第104回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

生後数週から増悪する哺乳後嘔吐と体重増加停止に、上腹部の胃蠕動波を思わせる膨隆が加わり、肥厚性幽門狭窄症を考えます。MSDでは、診断は腹部超音波で幽門筋の肥厚(通常3 mm以上)と幽門の延長を確認することとされています。超音波で決まらないときの次の手は上部消化管造影です。

画像の見方

上腹部に、くびれを伴う波状の膨隆がみられ、胃の蠕動波を思わせる。

各選択肢の検討

a.腹腔穿刺。誤り。腹水を調べる検査で、幽門筋の肥厚は評価できません。本例に腹水や腹膜炎を示す所見もありません。

b.注腸造影。誤り。大腸を描出する検査で、幽門は評価できません。造影で確かめるなら上部消化管造影です。

c.腹部単純CT。誤り。第一選択は放射線被曝のない超音波で、幽門の厚さと長さを直接測れます。

d.腹部超音波検査。正しい。幽門筋の肥厚と延長を非侵襲的に確認でき、診断確定の標準です。

e.上部消化管内視鏡検査。誤り。乳児には侵襲が大きく、確認した資料で超音波が決まらないときに挙げられるのは上部消化管造影です。

覚えるポイント

哺乳後嘔吐の増悪+上腹部の蠕動波は肥厚性幽門狭窄症。確定は超音波で幽門筋3 mm以上を確認。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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