第104回医師国家試験 I23(2010年)
正答:d・e
問題
分泌過剰によって骨密度が低下するのはどれか。2つ選べ。
a.エストロゲン
b.カルシトニン
c.抗利尿ホルモン
d.副甲状腺ホルモン
e.副腎皮質ホルモン
正答の理由
続発性骨粗鬆症の内分泌疾患としてCushing症候群(副腎皮質ホルモン過剰)と副甲状腺機能亢進症(副甲状腺ホルモン過剰)が代表です。エストロゲンは「欠乏」で骨量が減るホルモンで、過剰で骨密度が下がるわけではありません。
各選択肢の検討
a.エストロゲン。誤り。閉経後のエストロゲン低下とともに骨量減少が加速し、ホルモン補充療法は骨吸収抑制の治療の一つです。骨密度低下と結びつくのは過剰ではなく欠乏です。
b.カルシトニン。誤り。骨からのカルシウム放出を抑えるホルモンで、骨代謝を調節する因子の一つです。過剰によって骨粗鬆症を起こす内分泌疾患としては挙げられていません。
c.抗利尿ホルモン。誤り(公式正答では選ばない肢)。腎での水再吸収を調節するホルモンで、分泌過剰(SIADH)の主な問題は水貯留による低ナトリウム血症です。SIADHのラットモデルと米国の横断調査で慢性低Na血症と骨量低下の関連が報告されていますが、これは低Naを介する関連で、ADHは続発性骨粗鬆症の原因ホルモンとしては挙げられていません。
d.副甲状腺ホルモン。正しい。副甲状腺機能亢進症は続発性骨粗鬆症の原因で、持続的な過剰により骨吸収が進み、橈骨遠位部などで骨量が減少します。間欠投与の製剤が骨形成促進薬として使われるのとは区別します。
e.副腎皮質ホルモン。正しい。Cushing症候群や長期のステロイド使用は続発性骨粗鬆症の代表的な原因です。
覚えるポイント
骨密度を下げるホルモン過剰はPTHとコルチゾール。エストロゲンは欠乏で骨量が減る。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Osteoporosis – Rheumatology and Orthopedics – MSD Manual Professional Edition
- Hyponatremia – Nephrology – MSD Manual Professional Edition
- Neonatal Hypocalcemia – Pediatrics – MSD Manual Professional Edition
- Hyponatremia-Induced Osteoporosis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。