喫煙と受動喫煙の健康影響|第104回医師国家試験I1

第104回医師国家試験 I1(2010年)

正答:a・b

問題

たばこの害について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.喫煙は食道癌の危険因子である。

b.受動喫煙は低出生体重児出産の危険性を高める。

c.主流煙は副流煙よりも多種の有害物質を含んでいる。

d.換気扇の下で喫煙すれば、受動喫煙の影響はなくなる。

e.禁煙によってたばこ関連疾患の予防効果が期待できるのは60歳未満である。

正答の理由

喫煙は食道を含む多くの臓器の癌の原因です。米国公衆衛生総監報告(2006年)は、妊娠中の母体の受動喫煙と出生体重のわずかな低下との因果関係を「十分な証拠あり」と結論しています。したがってa・bが正しい組合せです。受動喫煙は換気では防ぎきれず、禁煙の利益は年齢によらず得られます。

各選択肢の検討

a.喫煙は食道癌の危険因子である。正しい。米国国立がん研究所の資料は、喫煙が原因となる癌として肺・喉頭・口腔などと並べて食道を挙げています。

b.受動喫煙は低出生体重児出産の危険性を高める。正しい。2006年の公衆衛生総監報告は、妊娠中の受動喫煙と出生体重の小さな低下に因果関係を認めるだけの証拠があると結論しています。

c.主流煙は副流煙よりも多種の有害物質を含んでいる。誤り。公衆衛生総監報告によると、副流煙は主流煙より低温で発生し、たばこ煙に含まれる毒性物質の多くで濃度が高い傾向があります。主流煙のほうが多種の有害物質を含むとはいえません。

d.換気扇の下で喫煙すれば、受動喫煙の影響はなくなる。誤り。同報告は、喫煙者と非喫煙者の分離、空気の清浄化、換気のいずれでも曝露をなくせず、屋内の喫煙をなくすことが非喫煙者を完全に守る方法だと結論しています。

e.禁煙によってたばこ関連疾患の予防効果が期待できるのは60歳未満である。誤り。米国国立がん研究所の資料は、年齢にかかわらず禁煙で病気のリスクを大きく下げられるとし、55〜64歳で禁煙した人の余命が約4年延びること、60代で禁煙した人でも喫煙継続者より死亡リスクが低いことを示しています。

覚えるポイント

受動喫煙に安全な曝露レベルはなく換気では解決しない。禁煙の利益は高齢でも得られる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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