医療事故の報告と医療安全管理部門|第104回医師国家試験H27

第104回医師国家試験 H27(2010年)

正答:b

問題

病院運営委員会での報告内容を以下に示す。

80歳の男性。脳梗塞後遺症のために入院中であった。上顎の義歯は装着できなくなり使用中止としていた。夕食後に口腔ケアを行ってから、下顎ブリッジ義歯を装着した。翌朝の食事介助時に義歯がないことに看護師が気付き、頸部エックス線写真と単純CTで食道部に義歯を確認し、手術室で全身麻酔下に喉頭鏡を用いて摘出した。

原因 ① 食事以外で誤嚥する可能性を予測していなかった。

② 義歯に緩みがあった。

対策 ① 自己管理できない患者の義歯は訪室時毎回チェックする。状況によっては食事中のみの装着とし、その情報を共有する。

② 定期的な口腔ケアを実施する。

このような報告を行う組織〈チーム〉はどれか。

a.手術部

b.医療安全管理室

c.感染対策チーム

d.栄養サポートチーム

e.光学診療部〈内視鏡室〉

正答の理由

入院中に起きた義歯の誤飲事例について、原因を分析し再発防止策をまとめて運営委員会へ報告しています。これは医療事故防止のための情報収集、分析、対策立案、フィードバックであり、医療安全管理者と安全管理部門の業務です。処置を行った部署や栄養、感染を扱うチームの役割とは異なります。

各選択肢の検討

a.誤り。手術部は摘出の場を提供しましたが、事故の主題は病棟での義歯管理です。病棟の手順変更を含む再発防止策を院内横断でまとめる立場ではありません。

b.正しい。医療安全管理者は職種横断の委員会や部門の運営に参画し、事故報告の情報を分析して対策を立案、周知します。本例の「原因」「対策」の形式はこの業務に一致します。

c.誤り。感染制御チームは医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師などで院内感染対策を担います。本例は感染症の事例ではありません。

d.誤り。栄養サポートチームは患者の栄養管理を多職種で支えるチームです。食事介助中に発覚していますが、主題は栄養状態ではなく義歯の誤飲事故です。

e.誤り。内視鏡室は検査や処置を担当する部門です。本例の摘出は喉頭鏡で行われており、再発防止策の検討を担う部門でもありません。

覚えるポイント

インシデントや事故の原因分析と再発防止策の立案、周知は医療安全管理部門の役割。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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