慢性膵炎の診断に有用な検査|第104回医師国家試験G41

第104回医師国家試験 G41(2010年)

正答:b・d・e

問題

39歳の男性。腹痛を主訴に来院した。10年前からたびたび腹痛発作で通院加療を受けている。来院時の腹部造影CT(別冊No. 4A、B)を別に示す。

診断に有用なのはどれか。3つ選べ。

a.胃液検査

b.BT-PABA 試験

c.pH モニタリング

d.経口ブドウ糖負荷試験〈OGTT〉

e.磁気共鳴胆管膵管撮影〈MRCP〉

上腹部の造影CT。膵体尾部に一致して粗大な高吸収の石灰化が多発している。
別冊No. 4A / 出典:厚生労働省・第104回G別冊(原本の該当ページ)
腎門部レベルの造影CT。膵頭部に一致して粗大な高吸収の石灰化が多発している。
別冊No. 4B / 出典:厚生労働省・第104回G別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

反復する腹痛と、膵の頭部から体尾部に及ぶ多発性の粗大な石灰化から、慢性膵炎を考えます。診断と病期の評価には、膵管の形態をみる MRCP、外分泌機能をみる BT-PABA 試験、内分泌機能(耐糖能)をみる OGTT が有用です。公式正答はb、d、eです。

画像の見方

本解説の読影では、膵体尾部(A)と膵頭部(B)に粗大な石灰化が多発しています。肝や腎に明らかな異常は指摘しにくく、単純な胆石や腎結石とは位置が異なります。

各選択肢の検討

a.胃液検査。誤り。胃液を採取して調べる検査で、確認した慢性膵炎の資料が挙げる検査(画像検査、PFD、便中キモトリプシン、耐糖能など)には含まれません。

b.BT-PABA 試験。正しい。PFD 試験とも呼ばれる膵外分泌機能の簡易検査で、2003年の臨床検査ガイドラインにも慢性膵炎の外分泌機能検査として挙げられています。CT で石灰化をみた本例で機能障害の程度を評価する手段になります。

c.pH モニタリング。誤り。胃食道逆流の評価に用いる検査で、内視鏡で異常がないのに治療後も症状が続く例などに行います。膵病変の評価には用いません。

d.経口ブドウ糖負荷試験〈OGTT〉。正しい。慢性膵炎は進行とともに内分泌機能が低下し、耐糖能異常から膵性糖尿病に至ります。その評価に役立ちます。

e.磁気共鳴胆管膵管撮影〈MRCP〉。正しい。主膵管や分枝膵管の不整な拡張など、慢性膵炎に合致する膵管の変化を非侵襲的に描出できます。

覚えるポイント

膵石灰化は慢性膵炎。形態=MRCP、外分泌=BT-PABA、内分泌=OGTT。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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