第104回医師国家試験 G29(2010年)
正答:e
問題
展退について正しいのはどれか。
a.外子宮口から進行する。
b.破水すると進行しにくい。
c.経腟超音波検査で診断する。
d.100%なら子宮口は全開大している。
e.子宮頸管の短縮度として表現される。
正答の理由
展退は子宮頸管が短く薄くなることで、未展退の頸管長(約3.5〜4cm)を基準に0〜100%で表します。短縮の度合いの表現であるeが正しく、公式正答もeです。開大はcmで別に記録します。
各選択肢の検討
a.外子宮口から進行する。誤り。展退は内子宮口側から進みます。分娩開始期の超音波観察では、内子宮口が漏斗状に開きながら頸管が短くなり、漏斗が頸管の下端に達して内外の子宮口が融合すると展退が完了すると報告されています。
b.破水すると進行しにくい。誤り。破水で展退が進みにくくなるとする記述は、確認した資料にはありません。人工破膜はむしろ分娩時間の短縮を期待して長年行われてきた処置です(2007年のメタアナリシスでは第1期の有意な短縮は示されず、ルチーンには勧められていません)。
c.経腟超音波検査で診断する。誤り。陣痛のある産婦では内診で開大と展退を評価します。経腟超音波で頸管長を測ることはありますが、分娩時の展退評価の基本は内診です。
d.100%なら子宮口は全開大している。誤り。展退は長さの変化、開大は直径の変化で別の指標です。全開大は10cmを指します。超音波の観察でも、外子宮口の開大が急速に進むのは展退の完了後とされ、展退100%は全開大を意味しません。
e.子宮頸管の短縮度として表現される。正しい。百分率で記録し、短縮と菲薄化を含むためcmで記録することもあります。
覚えるポイント
展退=頸管の短縮度(%)、開大=子宮口の径(cm)。別の指標として内診で評価する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Management of Normal Labor (MSD Manual Professional Edition)
- Monitoring the effacement of the uterine cervix by transperineal sonography: a new perspective (J Ultrasound Med, 1995)
- 産婦人科診療ガイドライン―産科編2011(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会、Internet Archive)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。