感染症の予防・検査の対象|第104回医師国家試験G28

第104回医師国家試験 G28(2010年)

正答:c

問題

組合せで誤っているのはどれか。

a.脾臓摘出後の成人 ― 肺炎球菌ワクチンの接種

b.臨床実習前の医学生 ― B型肝炎ワクチンの接種

c.医療従事者 ― C型肝炎免疫グロブリンの投与

d.性暴行の被害女性 ― 淋菌、クラミジアの検査

e.妊婦 ― B群レンサ球菌のスクリーニング

正答の理由

C型肝炎には、曝露後に有効性が証明された予防法がありません。出題前に厚生労働省の院内感染対策中央会議に示された指針案(2007年)は、HCV曝露者に免疫グロブリン製剤やインターフェロンを投与しない方がよいとし、米国CDCの2001年指針も同じ趣旨です。誤っているのはcで、公式正答もcです。

各選択肢の検討

a.脾臓摘出後の成人 ― 肺炎球菌ワクチンの接種。正しい組合せで、正答ではない。肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)の国内の効能・効果の筆頭が脾摘患者の感染予防です。CDCの2010年の成人接種表も、待機的摘脾では少なくとも2週間前の接種を勧めています。

b.臨床実習前の医学生 ― B型肝炎ワクチンの接種。正しい組合せで、正答ではない。2007年の国内の指針案は、血液や体液に曝露する可能性のある医療従事者にB型肝炎ワクチンの接種を求めています。CDCの定義では学生も医療従事者に含まれ、国内の学会ガイドラインの後の版も学生や実習生を含めると大学の資料に説明されています。

c.医療従事者 ― C型肝炎免疫グロブリンの投与。誤った組合せで、これが正答。HCV陽性血の曝露後に免疫グロブリンは投与しません。HCV抗体や肝機能を経過観察し、陽転すればHCV-RNAを調べて治療へ進みます。免疫グロブリンを用いるのはB型肝炎の曝露後です。

d.性暴行の被害女性 ― 淋菌、クラミジアの検査。正しい組合せで、正答ではない。産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2011(出題翌年の版)は、被害者が希望すれば淋菌・クラミジアなどの性感染症検査を行うとしています。CDCの2010年指針も核酸増幅検査を勧めています。

e.妊婦 ― B群レンサ球菌のスクリーニング。正しい組合せで、正答ではない。産婦人科診療ガイドライン産科編2011(出題翌年の版)は妊娠33〜37週の腟周辺の培養検査を勧めています。CDCの2010年指針では35〜37週で、週数は資料により異なります。

覚えるポイント

曝露後に免疫グロブリンを使うのはB型肝炎。C型肝炎には有効性が証明された曝露後予防がない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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