第104回医師国家試験 G18(2010年)
正答:c・d・e
問題
肝予備能の評価に有用な血液検査項目はどれか。3つ選べ。
a.AST
b.カリウム
c.アルブミン
d.総ビリルビン
e.プロトロンビン時間〈PT〉
正答の理由
肝予備能は、残っている肝細胞がどれだけ働けるかを問う概念です。合成能を示すアルブミンとプロトロンビン時間、抱合・排泄能を示す総ビリルビンが該当し、いずれもChild-Pugh分類の項目です。公式正答はc・d・eです。
各選択肢の検討
a.AST。誤り。ASTは傷んだ肝細胞から漏れ出す酵素で、肝細胞障害の指標です。肝硬変では正常のこともあり、値の高さは残存機能を表しません。
b.カリウム。誤り。Child-Pugh分類の項目ではなく、肝機能の指標として用いられる検査でもありません。血清カリウムは腎機能や利尿薬などの影響を強く受けます。
c.アルブミン。正しい。肝細胞で合成される血清蛋白で、低下は合成能の低下を反映します。Child-Pugh分類の項目です。
d.総ビリルビン。正しい。肝臓での取り込み・抱合・排泄の障害で上昇し、肝硬変の進行とともに増えます。Child-Pugh分類の項目です。
e.プロトロンビン時間〈PT〉。正しい。肝細胞が作る凝固因子に左右されるため、延長は合成能の低下を示します。Child-Pugh分類ではPTまたはINRを用います。
覚えるポイント
肝予備能はアルブミン・ビリルビン・PT。ASTは障害の指標で、残存機能の指標ではない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Laboratory Tests of the Liver and Gallbladder (MSD Manual Professional Edition)
- Cirrhosis (MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。