第104回医師国家試験 G13(2010年)
正答:d
問題
頭部MRIのT1強調冠状断像(別冊No. 3)を別に示す。
Alzheimer型認知症の記憶障害と関係がある部位はどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
Alzheimer型認知症の記憶障害の責任部位は、内側側頭葉の海馬とその周囲です。本解説の読影では、④が側脳室下角に接する内側側頭葉の海馬領域に当たります。この断面では海馬前部と扁桃体が近接し、1枚では境界を断定できませんが、選択肢の中で該当するのは④です。公式正答はdです。Alzheimer型認知症の典型的なMRI像は内側側頭葉と頭頂葉の萎縮で、冠状断は海馬の萎縮の評価に向いています。ただし海馬が比較的保たれる亜型もあります。
画像の見方
T1強調冠状断像で、①は大脳半球上部の皮質、②はSylvius裂の内側、③は第三脳室の外側、④は側脳室下角に接する内側側頭葉(海馬領域)、⑤は側頭葉外側を示す。部位の同定は本解説の読影による。
各選択肢の検討
a.①。誤り。①は大脳半球上部の前頭葉皮質付近です。近時記憶の中心的な部位ではありません。
b.②。誤り。②はSylvius裂の内側の島回から被殻の付近です。記憶形成の中心である海馬ではありません。
c.③。誤り。③は第三脳室の外側の間脳(視床付近)です。視床背内側核は記憶に関わりますが、Alzheimer型認知症の萎縮の中心は海馬です。
d.④。正しい。④は側脳室下角に接する内側側頭葉で、海馬を含む領域です。Alzheimer型認知症で萎縮の中心となる記憶形成の要所です。
e.⑤。誤り。⑤は側頭葉外側の皮質付近です。病期が進むと障害されますが、選択肢の中で記憶障害に最も関係が深いのは④です。
覚えるポイント
Alzheimer型の記憶障害は海馬の障害。MRIでは冠状断で内側側頭葉の萎縮をみる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Structural MRI phenotyping in Alzheimer’s disease: Comparison of visual rating scales, volumetry, and cortical thickness
- Amnesias – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。