第104回医師国家試験 G8(2010年)
正答:a・b
問題
緩和ケアチームについて正しいのはどれか。2つ選べ。
a.遺族のケアも担当する。
b.心のケアの担当者が含まれる。
c.診断早期の患者は対象としない。
d.最終的な方針は医師が決定する。
e.病状を未告知の患者は対象としない。
正答の理由
緩和ケアは患者と家族を対象に、身体・心理社会・スピリチュアルの問題に多職種で取り組む医療で、死別後の支援(グリーフケア)も含みます。公式正答はa・bです。WHOも死別に関するカウンセリングと病早期からの適用を明記しています。方針決定は医師の専決ではなく、患者の意思決定を基本とします。
各選択肢の検討
a.遺族のケアも担当する。正しい。WHOは緩和ケアのチームアプローチに死別のカウンセリングを含めており、家族は支援の対象です。
b.心のケアの担当者が含まれる。正しい。緩和ケアは心理社会的・スピリチュアルな苦痛も扱います。日本緩和医療学会の手引き(第2版)も、チームの職種に身体症状担当の医師とは別に精神症状担当の医師を挙げ、精神症状の評価と対処を役割としています。
c.診断早期の患者は対象としない。誤り。WHOは緩和ケアが病気の早い段階で検討されたときに最も効果的と述べています。終末期だけのものではありません。
d.最終的な方針は医師が決定する。誤り。2007年の厚生労働省の指針では、方針決定はインフォームド・コンセントに基づく患者の意思決定を基本とし、多職種の医療・ケアチームとして行うとされています。この指針は終末期を対象としたものですが、考え方は共通します。
e.病状を未告知の患者は対象としない。誤り。WHOは緩和ケアを、身体的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛を早期に見つけて和らげる医療と説明しており、対象を決めるのは苦痛の有無です。未告知の患者でも症状緩和は必要で、病状をどう伝えるかは本人の意向をふまえて別に検討します。
覚えるポイント
緩和ケアは病早期から、患者と家族を対象に、多職種で。死別後の支援も含む。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Palliative care (WHO fact sheet)
- 終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省 2007年)
- チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)
- 緩和ケアチーム活動の手引き 第2版(日本緩和医療学会)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。