第104回医師国家試験 G1(2010年)
正答:a
問題
3歳0か月児のほとんどが到達している発達レベルはどれか。
a.丸を模写する。
b.一人で服を着る。
c.三語文を復唱する。
d.スキップができる。
e.高い、低いがわかる。
正答の理由
公式正答はaです。遠城寺式発達検査表では「まねて○をかく」が2歳6か月〜2歳9か月の行にあり、3歳0か月より前に置かれています。b、d、eの項目は3歳0か月より後の行で、cも三語文を「文章の復唱」にあたると読めば後の行です。MSD Manualの発達表でも「Copies a circle」は3歳に置かれ、十字の模写は4歳、三角形の模写とスキップは5歳に並びます。ただし、今回の資料は「ほとんどが到達」までは裏づけていません。遠城寺式の表に到達率の記載はなく、MSD Manualの年齢は中央値です。同じ手引きの日本版DDST用紙(p.99)の丸の模写の帯を目で読むと、3歳0か月は通過率25%付近で、75%は4歳ごろ、90%は4歳6か月ごろです。aを選ぶ根拠は、公式正答と、遠城寺式の行で5肢のうち最も早いという順序です。
各選択肢の検討
a.丸を模写する。正しい。遠城寺式では「まねて○をかく」が2歳6か月〜2歳9か月の行です。「十字をかく」は3歳4か月〜3歳8か月の行で、MSD Manualの発達表は丸を3歳、十字を4歳に置きます。年齢の置き方は資料で差がありますが、この2資料では丸から十字へ進む順序が同じです。
b.一人で服を着る。誤り。遠城寺式の「ひとりで着衣ができる」は4歳4か月〜4歳8か月の行で、2歳9か月〜3歳0か月の行にあるのは「上着を自分で脱ぐ」です。MSD Manualの発達表は、3歳を「ボタンとひも以外はだいたい着られる」段階、4歳を「Dresses self」としています。
c.三語文を復唱する。誤り。遠城寺式の表に「三語文」という語はありません。近い項目は、「小さな人形」などの「二語文の復唱」が2歳9か月〜3歳0か月の行、「きれいな花がさいています」などの「文章の復唱」が3歳4か月〜3歳8か月の行です。三語文を後者にあたると読むと、3歳0か月より後の項目になります。この対応づけは資料の記載ではなく、本解説の推定です。MSD Manualの表は2〜2歳半に「2- or 3-word sentences」を置きますが、これは自分で話す項目で、復唱の時期は書かれていません。
d.スキップができる。誤り。遠城寺式では4歳4か月〜4歳8か月の行で、MSD Manualの発達表では5歳の項目です。遠城寺式で2歳9か月〜3歳0か月の行にある片足の項目は「片足で2〜3秒立つ」です。
e.高い、低いがわかる。誤り。遠城寺式では3歳0か月〜3歳4か月の行で、3歳0か月より後に置かれています。「長い、短いがわかる」は2歳6か月〜2歳9か月の行にあり、高い・低いはその後です。
覚えるポイント
遠城寺式では丸の模写が3歳0か月より前の行、高い・低いの理解や文章の復唱は後の行。MSD Manualでは形の模写は丸→十字→三角形の順。「ほとんど」の到達率は資料では裏づけられない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- 遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表(九大小児科改訂版)、日本版DDST用紙 – 新潟県福祉保健部健康対策課・新潟県医師会「乳幼児健康診査の手引」第5版 参考資料(p.97、p.99)
- Childhood Development – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。