第104回医師国家試験 F18(2010年)
正答:c
問題
16歳の男子。顔面の浮腫を主訴に来院した。約2週前に扁桃炎に罹患し、昨日から顔面の浮腫が出現した。尿の色は暗赤色である。
この疾患の主徴候とならないのはどれか。
a.体重増加
b.高血圧
c.貧血
d.蛋白尿
e.血尿
正答の理由
扁桃炎の約2週後に浮腫と暗赤色尿が出ており、溶連菌感染後急性糸球体腎炎を考えます。溶連菌感染の1〜3週後に起こる急性腎炎症候群で、血尿と様々な程度の蛋白尿を基本に、浮腫、高血圧、乏尿などを伴います。確認した資料では、貧血は腎炎症候群の定義や随伴要素に挙げられていません。したがって主徴候とならないのは貧血です。
各選択肢の検討
a.体重増加。主徴候に含まれる(設問の答えではない)。腎炎症候群では乏尿と浮腫が起こるため、体内に水分がたまった分だけ体重が増えます。溶連菌感染後急性糸球体腎炎の研究でも、体液過剰の指標に体重増加が用いられています。
b.高血圧。主徴候に含まれる(設問の答えではない)。腎炎症候群でしばしば伴う所見で、浮腫と並んで確認すべき徴候です。
c.貧血。正解(主徴候とならない)。腎炎症候群を定義する血尿や蛋白尿、随伴する浮腫、高血圧、乏尿のいずれにも当たりません。血尿があっても、貧血は本症の主徴候としては扱いません。
d.蛋白尿。主徴候に含まれる(設問の答えではない)。程度は様々ですが、血尿とともに腎炎症候群の定義に入ります。
e.血尿。主徴候に含まれる(設問の答えではない)。この患者の暗赤色尿に相当し、変形赤血球や赤血球円柱を伴うことが多い所見です。
覚えるポイント
咽頭・扁桃炎の1〜3週後の血尿、蛋白尿、浮腫、高血圧は溶連菌感染後急性糸球体腎炎を示す。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Overview of Nephritic Syndrome
- Streptococcal Infections
- Coexistence of Intravascular Excess Fluid and Reduced Renal Blood Flow in the Acute Phase of Acute Post-Streptococcal Glomerulonephritis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。