第104回医師国家試験 F10(2010年)
正答:e
問題
チーム医療で誤っているのはどれか。
a.診療情報の共有
b.患者中心の医療の実践
c.異なる職種間の連携と協力
d.患者、家族の心理面のサポート
e.医師を頂点とした指示体制の確立
正答の理由
チーム医療は、多様な医療スタッフが高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しながら連携・補完して患者の状況に対応する医療と説明されます(出題直後の2010年3月にまとめられた厚生労働省の報告書の考え方)。序列で動かす体制を目的にする考え方ではありません。公式正答はeです。法律上、看護師の行為などに医師の指示が必要な場面はありますが、それとチームの目標を「医師を頂点とした体制の確立」とすることは別です。
各選択肢の検討
a.診療情報の共有はチーム医療に含まれる。目的と情報の共有は定義の中心です。誤りを問う設問なので正答になりません。
b.患者中心の医療の実践はチーム医療に含まれる。患者の状況に的確に対応することが目的で、患者・家族とともに質の高い医療を目指します。誤りを問う設問なので正答になりません。
c.異なる職種間の連携と協力はチーム医療に含まれる。各職種が業務を分担し、連携・補完し合うことが基本です。誤りを問う設問なので正答になりません。
d.患者、家族の心理面のサポートはチーム医療の役割に含まれる。報告書は患者・家族とともに質の高い医療を実現することを掲げ、医療・生活の質の向上を効果に挙げ、緩和ケアチームを医療チームの具体例に示しています。がん医療でも看護師などが患者を支える役割が重視されています。誤りを問う設問なので正答になりません。
e.医師を頂点とした指示体制の確立は誤り(正答)。報告書は各職種の専門性に委ね再統合する発想の転換を求め、包括的指示の活用で看護師の自律的判断の機会を広げる方向を示しています。
覚えるポイント
チーム医療の基本は目的と情報の共有、業務分担、連携・補完。序列の確立ではない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)
- Communication in Cancer Care (PDQ®)–Health Professional Version
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。