スクリーニング検査の特性と検査前確率|第104回医師国家試験F4

第104回医師国家試験 F4(2010年)

正答:e

問題

スクリーニングについて誤っているのはどれか。

a.偽陰性が少ないほど有用である。

b.感度を高くすると特異度は低くなる。

c.カットオフ値はROC曲線で決める。

d.陽性尤度比が大きいことが望ましい。

e.検査前確率が低いと偽陽性が少なくなる。

正答の理由

同じ検査でも、予測値は集団の有病率(検査前確率)によって変わります。感度・特異度をともに90%として1000人を検査すると、有病率10%では陽性者180人のうち偽陽性が90人(50%)ですが、有病率1%では陽性者108人のうち偽陽性が99人(約92%)です。検査前確率が低いと偽陽性は少なくならず、陽性者に占める割合はむしろ増えます。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.偽陰性が少ないほど有用である、は正しい。スクリーニングは潜在する疾患を拾うことが目的で、感度を重視したカットオフが選ばれます。誤りを問う設問なので正答になりません。

b.感度を高くすると特異度は低くなる、は正しい。カットオフを動かすと、見逃しを減らす代わりに偽陽性が増えるトレードオフが生じます。誤りを問う設問なので正答になりません。

c.カットオフ値はROC曲線で決める、は出題の前提として正しい扱いです。ROC曲線はカットオフごとの感度と偽陽性率の関係を示します。ただし実際の設定では、見逃しと偽陽性それぞれの不利益も考慮します。

d.陽性尤度比が大きいことが望ましい、は正しい。陽性尤度比は感度/(1−特異度)で、大きいほど陽性結果が検査後確率を押し上げます。誤りを問う設問なので正答になりません。

e.検査前確率が低いと偽陽性が少なくなる、は誤り(正答)。低有病率では疾患のない受検者が増えるため、同じ特異度でも陽性者に占める偽陽性の割合が高くなり、陽性的中率は下がります。

覚えるポイント

有病率が低いと陽性的中率が下がり、陽性者中の偽陽性の割合が上がる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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