第104回医師国家試験 D38(2010年)
正答:採点対象から除外(公式正答なし)
問題
生後7日の新生児。妊娠中羊水過多がみられた。在胎38週、体重3,250 gで出生した。Apgarスコア1点(1分)、3点(5分)。出生直後から人工換気を必要としている。筋緊張は著明に低下し、腱反射は軽度減弱している。
考えられるのはどれか。
a.Leigh脳症
b.Down症候群
c.Werdnig-Hoffmann病
d.先天性筋強直性ジストロフィー
e.Duchenne型進行性筋ジストロフィー
正答の理由
公式正答値表ではこの問の正答欄が空欄で、採点対象から除外されています。除外の個別理由を示す一次資料は未取得なので、理由は推測しません。以下の各肢の説明は学習用の参考で、公式正答の代わりではありません。参考として、羊水過多、出生時からの重い筋緊張低下と呼吸障害、腱反射の減弱は、先天性筋強直性ジストロフィーでよく知られた組合せです。確定はDMPK遺伝子のCTG反復の検査により、脊髄性筋萎縮症の鑑別も残ります。
各選択肢の検討
a.Leigh脳症。参考(公式の正誤なし)。Leigh症候群は通常1歳までに、嚥下障害、体重増加不良、筋緊張低下、眼症状、乳酸アシドーシスが進行する形で発症します。出生直後からの呼吸不全という経過は典型ではありません。
b.Down症候群。参考(公式の正誤なし)。Down症候群の新生児にも筋緊張低下はありますが、特徴的な顔貌などが手がかりで、出生直後から人工換気に依存する重い筋力低下の説明としては典型ではありません。問題文に顔貌などの記載もありません。
c.Werdnig-Hoffmann病。参考(公式の正誤なし)。脊髄性筋萎縮症1型で、乳児期の筋緊張低下、腱反射低下、舌の線維束性収縮、哺乳と呼吸の障害を起こします。出生時から重い0型では腱反射は消失します。本例は鑑別に残ります。
d.先天性筋強直性ジストロフィー。参考(公式の正誤なし)。羊水過多、胎動減少、新生児の筋緊張低下、反射低下、呼吸障害が特徴で、本例の経過によく合います。ただし公式正答ではありません。
e.Duchenne型進行性筋ジストロフィー。参考(公式の正誤なし)。Duchenne型の筋力低下は幼児期から現れ急速に進みます。新生児期の呼吸不全で発症する病型ではなく、主に男児の疾患です。問題文に性別の記載もありません。
覚えるポイント
採点除外問で公式正答はない。羊水過多と新生児の筋緊張低下・呼吸障害では先天性筋強直性ジストロフィーを鑑別に入れる、という学習にとどめる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Neonatal congenital myotonic dystrophy with DMPK gene expansion: clinical features and short-term outcomes
- Spinal Muscular Atrophies (SMAs)
- Mitochondrial Oxidative Phosphorylation Disorders
- Down Syndrome (Trisomy 21)
- Duchenne and Becker muscular dystrophy: MedlinePlus Genetics
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。