胸部大動脈瘤の合併症|第104回医師国家試験D27

第104回医師国家試験 D27(2010年)

正答:e

問題

64歳の男性。胸部違和感を主訴に来院した。以前から高血圧を指摘されていたが放置していた。血圧220/110 mmHg。胸部エックス写真(別冊No. 8)を別に示す。

合併する病態として考えにくいのはどれか。

a.嗄声

b.喀血

c.突然死

d.嚥下困難

e.口角下垂

別冊No.8 胸部エックス線写真。左上縦隔が外側へ突出し、縦隔陰影が拡大している。
別冊No.8 / 出典:厚生労働省・第104回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

未治療の高血圧と、胸部写真の左上縦隔の突出(大動脈弓から下行大動脈の拡大を疑う、本解説の読影)から胸部大動脈瘤を考えます。症状は周囲臓器の圧迫・穿破と破裂で説明します。顔面神経は胸部の大動脈瘤に圧迫されないため、口角下垂は考えにくく、公式正答はeです。原本の「胸部エックス写真」は原文のままです。

画像の見方

左上縦隔の突出と縦隔陰影の拡大を認める(本解説の読影。瘤の範囲はCT等で確認する)。

各選択肢の検討

a.嗄声。合併しうる(正答ではない)。左反回神経または迷走神経の圧迫で声帯麻痺となり嗄声を起こします。

b.喀血。合併しうる(正答ではない)。瘤が肺へ穿破すると喀血や肺炎を起こします。

c.突然死。合併しうる(正答ではない)。破裂すると胸腔や心膜腔へ大量に失血し、致死的になります。瘤の径が大きいほど破裂の危険が高まります。

d.嚥下困難。合併しうる(正答ではない)。食道の圧迫で嚥下困難を起こします。食道へ穿破すれば大量吐血となります。

e.口角下垂。考えにくい(正答)。胸部の圧迫症状の一覧に顔面神経麻痺はありません。ただし血栓塞栓から脳卒中を起こせば顔面麻痺は生じうるので、瘤の局所症状としては考えにくいと理解します。

覚えるポイント

胸部大動脈瘤は反回神経、気管支、食道の圧迫・穿破と破裂で症状を出す。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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