第104回医師国家試験 D18(2010年)
正答:b
問題
膵癌について正しいのはどれか。
a.女性に多い。
b.膵頭部に多い。
c.肝癌よりも予後が良い。
d.罹患率が低下している。
e.ウイルス感染と関連が深い。
正答の理由
膵腺癌の約80%は膵頭部に発生し、閉塞性黄疸の原因にもなります。bが正しい記述です。性差は男性に多く、主な危険因子は喫煙、慢性膵炎、肥満などです。5年生存率も低く、予後不良です。
各選択肢の検討
a.女性に多い。誤り。腺癌は男性に1.5〜2倍多いとされます。
b.膵頭部に多い。正しい。腺癌の約80%が膵頭部に生じます。
c.肝癌よりも予後が良い。誤り。日本の全国がん登録(2018年診断例)の5年相対生存率は膵臓13.2%、肝臓35.2%で、米国SEER(2016〜2022年)でも膵癌13.7%、肝・肝内胆管癌21.9%と、いずれも膵癌のほうが低値です。
d.罹患率が低下している。誤り。CI5plusの解析では日本(宮城)の年齢調整罹患率は2000年の8.3から2017年の10.5へ有意に上昇しています。一地域の登録データで、全国の数値ではありません。
e.ウイルス感染と関連が深い。誤り。主要な危険因子は喫煙、慢性膵炎、肥満、化学物質曝露です。B型・C型肝炎ウイルスとの関連が深いのは肝細胞癌です。
覚えるポイント
膵癌は頭部に多く、男性にやや多く、予後不良。危険因子は喫煙・慢性膵炎・肥満。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Pancreatic Cancer (MSD Manual Professional Edition)
- Pancreatic Cancer — Cancer Stat Facts
- Liver and Intrahepatic Bile Duct Cancer — Cancer Stat Facts
- Global and registry-based patterns of pancreatic cancer: GLOBOCAN 2020, CI5plus trends (2000–2017), and demographic projections to 2040
- Hepatocellular Carcinoma (MSD Manual Professional Edition)
- 膵臓:国立がん研究センター がん統計
- 肝臓:国立がん研究センター がん統計
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。