慢性炎症に伴う貧血の鉄動態|第104回医師国家試験D13

第104回医師国家試験 D13(2010年)

正答:b

問題

慢性炎症による二次性貧血でみられるのはどれか。

MCV MCHC Fe TIBC フェリチン
a 低 低 低 高 低
b 低〜正常 低〜正常 低 低 高
c 正常〜高 低 高 低 高
d 低 低 高 低 高
e 正常〜高 正常 高 低 高

正答の理由

慢性炎症では鉄が貯蔵部位に閉じ込められ、赤血球造血に利用できなくなります。初期は正球性で、経過とともに小球性になることがあります。血清鉄とトランスフェリン(TIBC)はともに低く、フェリチンは急性期反応物質として上昇するのが典型です。この組合せはbです。

各選択肢の検討

a.MCV 低、MCHC 低、Fe 低、TIBC 高、フェリチン低。誤り。TIBC高値とフェリチン低値は貯蔵鉄の枯渇を示し、鉄欠乏性貧血のパターンです。

b.MCV 低〜正常、MCHC 低〜正常、Fe 低、TIBC 低、フェリチン高。正しい。鉄の利用障害と貯蔵の増加を示し、慢性炎症に伴う貧血に合致します。

c.MCV 正常〜高、MCHC 低、Fe 高、TIBC 低、フェリチン高。誤り。血清鉄高値は溶血性疾患や鉄過剰症でみられる所見で、血清鉄低値が基本の本症と合いません。MCVが上がる方向である点も異なります。

d.MCV 低、MCHC 低、Fe 高、TIBC 低、フェリチン高。誤り。小球性という点は似ますが、血清鉄高値が決定的に異なります。小球性で血清鉄とフェリチンが高い代表は鉄芽球性貧血です(総鉄結合能は表で正常とされ、低値ではありません)。

e.MCV 正常〜高、MCHC 正常、Fe 高、TIBC 低、フェリチン高。誤り。血清鉄高値が本症と合わず、正常〜大球性の傾向も本症の正球性〜小球性と一致しません。

覚えるポイント

炎症性貧血はFe低・TIBC低・フェリチン高。鉄欠乏性貧血(Fe低・TIBC高・フェリチン低)と対比する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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