腸回転異常症と中腸軸捻転|第104回医師国家試験D10

第104回医師国家試験 D10(2010年)

正答:c

問題

腸回転異常症について正しいのはどれか。

a.注腸整復術が有用である。

b.無胆汁性嘔吐で発症する。

c.腸管の絞扼を起こす危険がある。

d.上部消化管内視鏡検査で診断する。

e.腸管壁内神経細胞の異常で発症する。

正答の理由

腸回転異常症では、腸間膜の固定が不十分なため腸が腸間膜を軸に捻れる中腸軸捻転を起こし、血流が途絶えて腸管壊死に至る危険があります。緊急手術の対象で、cが正しい記述です。胆汁性嘔吐の乳児では、まずこの病態を除外します。

各選択肢の検討

a.注腸整復術が有用である。誤り。治療はLadd手術です。注腸による整復が行われるのは腸重積で、回転異常での注腸は診断の補助にとどまります。

b.無胆汁性嘔吐で発症する。誤り。軸捻転の急性発症では腹痛と胆汁性嘔吐が典型です。乳児の胆汁性嘔吐は緊急事態で、腸回転異常と中腸軸捻転をすぐに評価します。

c.腸管の絞扼を起こす危険がある。正しい。中腸軸捻転では血流が遮断され、放置すると腸管梗塞や短腸症候群、死亡に至ります。

d.上部消化管内視鏡検査で診断する。誤り。診断は腹部X線に続く上部消化管造影が基本です。内視鏡は標準的な診断法に挙げられていません。

e.腸管壁内神経細胞の異常で発症する。誤り。これはHirschsprung病(壁内神経叢の欠如)の説明です。回転異常は胎生期の腸の回転と固定の異常です。

覚えるポイント

乳児の胆汁性嘔吐は中腸軸捻転を疑う緊急事態。診断は上部消化管造影、治療はLadd手術。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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