胸部腫瘍と随伴症候|第104回医師国家試験D6

第104回医師国家試験 D6(2010年)

正答:d

問題

胸部の腫瘍についての組合せで正しいのはどれか。

a.早期肺癌 ── Lambert-Eaton症候群

b.小細胞肺癌 ── 重症筋無力症

c.右肺門部肺癌 ── 反回神経麻痺

d.浸潤型胸腺腫 ── 上大静脈症候群

e.Pancoast型肺癌 ── 手掌多汗症

正答の理由

胸腺腫は前縦隔の腫瘍で、浸潤すると腕頭静脈や上大静脈に及び、上大静脈症候群を示すことがあります。NCIの総説でも上大静脈症候群を疑わせる所見が胸腺腫の症候に挙げられ、T3の定義に上大静脈への直接浸潤が含まれます。dが最も適切です。

各選択肢の検討

a.早期肺癌 ── Lambert-Eaton症候群。誤り。Lambert-Eaton症候群は小細胞肺癌に多い腫瘍随伴症候群で、結びつくのは組織型です。早期肺癌に特徴的な症候とはいえません。

b.小細胞肺癌 ── 重症筋無力症。誤り。小細胞肺癌に多いのはLambert-Eaton症候群です。重症筋無力症と関連が深いのは胸腺腫で、最も多い自己免疫性の腫瘍随伴疾患です。

c.右肺門部肺癌 ── 反回神経麻痺。誤り。肺癌で反回神経麻痺による嗄声は起こりますが、大動脈弓を回って走行が長い左反回神経のほうが障害されやすく、右肺門部に典型的な組合せではありません。

d.浸潤型胸腺腫 ── 上大静脈症候群。正しい。上大静脈への圧迫・浸潤で、顔面や上肢の腫脹、頸胸部の静脈怒張が生じます。

e.Pancoast型肺癌 ── 手掌多汗症。誤り。肺尖部腫瘍が交感神経幹や星状神経節に及ぶとHorner症候群となり、同側は無汗になります。多汗とは逆です。

覚えるポイント

LEMS=小細胞肺癌、重症筋無力症=胸腺腫、Pancoast=肩・上肢痛とHorner(無汗)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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