食中毒の疫学と原因菌の特徴|第104回医師国家試験D5

第104回医師国家試験 D5(2010年)

正答:e

問題

食中毒で正しいのはどれか。

a.我が国ではブドウ球菌食中毒の患者数が最も多い。

b.サルモネラ食中毒の原因食品は生の魚介類が多い。

c.腸炎ビブリオ食中毒の潜伏期間は2〜6時間である。

d.ボツリヌス食中毒の治療には抗菌薬を投与する。

e.ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効である。

正答の理由

ノロウイルスには消毒用エタノールや逆性石鹸が十分に効かず、失活には次亜塩素酸ナトリウムや加熱を用います。eが正しい記述です。出題前の平成20年の統計でも患者数の最多はノロウイルスで、毒素を摂取するボツリヌス食中毒の治療の中心は抗毒素です。

各選択肢の検討

a.我が国ではブドウ球菌食中毒の患者数が最も多い。誤り。平成20年の統計(速報、患者総数24,303人)ではノロウイルスが11,618人(47.8%)で最多、ぶどう球菌は1,424人(5.9%)でした。

b.サルモネラ食中毒の原因食品は生の魚介類が多い。誤り。主な感染源は食肉、鶏肉、卵・卵製品などです。生の魚介類が典型なのは腸炎ビブリオです。

c.腸炎ビブリオ食中毒の潜伏期間は2〜6時間である。誤り。東京都の資料で8〜24時間です。数時間で発症するのは、黄色ブドウ球菌やセレウス菌嘔吐型のような毒素型の特徴です。

d.ボツリヌス食中毒の治療には抗菌薬を投与する。誤り。神経毒による麻痺が本体で、抗毒素をできるだけ早く投与し呼吸管理を行います。抗菌薬が明記されているのは創傷ボツリヌス症です。

e.ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効である。正しい。調理器具は洗浄後に塩素濃度約200ppmで処理するなどの方法が示されています。

覚えるポイント

ノロウイルスは患者数最多で、消毒は次亜塩素酸ナトリウムか加熱。ボツリヌスは抗毒素。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第104回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました