第104回医師国家試験 C16(2010年)
正答:c
問題
新聞報道を以下に示す。
厚生労働省は平成19年2月2日、廃院されたA病院の元院長、B医師(49)の保険医登録を取り消した。同省によると、B医師は平成17年11月末までの約5年間に、実際には入院の必要がない腰痛や外傷で病院職員が入院したように偽るなどし、診療報酬計約500万円を不正に請求し、受給した。
処分にあたって最も問題とされたのはどれか。
a.医師としての責務
b.医師の社会的責任
c.法の遵守
d.情報開示
e.患者の意向の尊重
正答の理由
架空の入院で診療報酬を請求した行為は、保険診療のルールに反する不正請求です。健康保険法は保険医に省令に従った診療を義務づけ(第72条第1項)、違反した場合は登録を取り消すことができると定めています(第81条第1号)。a・bも広い意味では問われますが、保険医登録の取消は法令に基づく処分なのでcを選びます。報道の処分がどの号によったかは問題文からは特定できません。条番号は2010年2月の法令データの写しと現行法で同じです。
各選択肢の検討
a.医師としての責務。誤り(公式キー上)。無関係ではありませんが一般的な職業倫理の表現で、処分の直接の根拠とはいえません。
b.医師の社会的責任。誤り(公式キー上)。社会的責任も問われますが、取消の根拠は具体的な法令違反です。
c.法の遵守。正しい。不正請求は保険医に課された法令上の義務に反する行為で、第72条第1項違反は第81条第1号の登録取消の事由です。
d.情報開示。誤り。報道の問題は情報の開示ではなく、虚偽の請求です。
e.患者の意向の尊重。誤り。報道されているのは入院を偽った請求で、患者の意思決定を論点とする事例ではありません。
覚えるポイント
保険医は健康保険法に従い診療する。違反は登録取消の事由となり、不正請求では法の遵守が問われる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。