治験の説明事項|第104回医師国家試験C9

第104回医師国家試験 C9(2010年)

正答:d

問題

臨床研究(治験)コーディネーターからの説明として適切なのはどれか。

a.家族を交えず本人のみに説明する。

b.主治医の希望に沿って説明を進める。

c.費用負担については説明しない。

d.被験者が守るべき事項について説明する。

e.発生の可能性が低い有害事象については説明しない。

正答の理由

当時のGCP省令の運用通知(平成18年)は、説明文書の記載事項である第51条第1項第16号「当該治験に係る必要な事項」に、被験者が守るべき事項と被験者の費用負担を挙げており、適切なのはdです。ICH-GCPの説明事項にも被験者の責務があります。省令上の説明の主体は治験責任医師等で、コーディネーター(治験協力者)は補足的な説明を行う立場です。省令は平成21年改正までを反映した2010年の写しで確認しました。現行の省令では費用が第16号として独立し、必要な事項は第17号です。

各選択肢の検討

a.家族を交えず本人のみに説明する。誤り。説明の相手は被験者となるべき者(代諾者の同意を得る場合は代諾者となるべき者)ですが、確認した省令と運用通知に家族の同席を排除する規定はありません。

b.主治医の希望に沿って説明を進める。誤り。同意は治験責任医師等に強制されたり、判断に不当な影響を受けたりしたものであってはなりません。被験者が自由に判断できるよう、質問の機会と検討の時間を保証します。

c.費用負担については説明しない。誤り。被験者が費用を負担する必要があるときは、その内容を説明文書に記載します(当時の運用通知、ICH-GCP 4.8.10(l))。

d.被験者が守るべき事項について説明する。正しい。当時の運用通知が説明文書の記載事項に明記し、ICH-GCP 4.8.10(e)にも被験者の責務があります。

e.発生の可能性が低い有害事象については説明しない。誤り。省令は予測される不利益を説明文書の記載事項とし、ICH-GCPも合理的に予測される危険や不便を挙げています。頻度が低いことだけで省いてよいとする記載はありません。

覚えるポイント

治験の説明では、費用、予測される不利益、被験者の責務を説明し、不当な誘導をしない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第104回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました