創傷の分類(切創)|第104回医師国家試験B43

第104回医師国家試験 B43(2010年)

正答:b

問題

20歳の男性。自室で倒れているのを家族に発見され搬入された。前腕の写真(別冊No. 5)を別に示す。

これらの創傷はどれか。

a.刺創

b.切創

c.挫創

d.裂創

e.割創

別冊No.5 前腕の写真。手関節寄りに前腕の短軸方向の深く開いた線状の創があり、他にも浅い線状の創が複数ある
別冊No.5 / 出典:厚生労働省・第104回B別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

写真の創はいずれも線状で、創縁が比較的整い、周囲の挫滅が目立ちません。刃物などの鋭器で切られた切創の特徴です。切創は深さより長さが大きいのが基本で、裂創のような組織の橋渡しや周囲の打撲痕は通常ありません。手関節付近の同方向の複数の創は、ためらい創を伴う自傷の可能性を考えますが、写真と短い病歴だけでは受傷の経緯を断定できません。

画像の見方

写真左の手関節寄りに、前腕の短軸方向へ走る深く開いた線状の創があり、創内に血液がみられます。同じ向きの浅い線状の創が写真左端と右寄りにもあります。創の周囲には血液や黒い付着物がありますが、皮膚の挫滅は目立ちません。

各選択肢の検討

a.刺創。誤り。先のとがったもので刺された創で、皮膚の開口が小さく、長さより深さが大きいのが特徴です。写真の創は長い線状です。

b.切創。正しい(正答)。鋭利な刃物による線状の創で、創縁が平滑で周囲組織の損傷が少なく、写真の所見に合います。

c.挫創。誤り。鈍器の角などの鈍的外力による創で、創縁が不規則で組織の欠損を伴います。写真のような線状の整った創にはなりにくいです。

d.裂創。誤り。鈍的外力で皮膚が裂けた創で、創縁が不整で打撲や擦過を伴い、創の中に組織の橋渡しが残ります。

e.割創。誤り。斧や鉈のような重い刃物で硬い骨の上に生じやすい創で、一見切創に似ますが創内の挫滅が大きくなります。

覚えるポイント

切創=長い、創縁が平滑。刺創=深い。挫創と裂創=鈍器で不整。割創=斧や鉈。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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