高病原性鳥インフルエンザの感染経路と治療|第104回医師国家試験B1

第104回医師国家試験 B1(2010年)

正答:d・e

問題

高病原性鳥インフルエンザについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a.インフルエンザ菌が原因である。

b.20世紀にパンデミックを起こした。

c.入院患者での致死率は5%以下である。

d.病鳥との密接な接触でヒトに感染する。

e.治療にノイラミニダーゼ阻害薬を用いる。

正答の理由

ヒトへの感染は、感染した鳥の分泌物や糞の吸入・直接接触で起こります。治療の中心はオセルタミビルなどのノイラミニダーゼ阻害薬です。公式正答はd・eです。H5N1は1997年の香港例で死亡率33%と重症例が目立ちましたが、2024〜2025年の米国流行では71例中2例死亡と、株や時期により重症度の幅があります。

各選択肢の検討

a.インフルエンザ菌が原因である。誤り。原因はA型インフルエンザウイルスです。インフルエンザ菌(Haemophilus属)はグラム陰性の細菌で、別の病原体です。

b.20世紀にパンデミックを起こした。誤り。ヒト-ヒト感染は限定的で、多くは動物、主に家禽からの感染です。ヒトへの伝播性を獲得すればパンデミックになり得るという警戒の対象です。

c.入院患者での致死率は5%以下である。誤り。1997年の香港のH5N1例では死亡率33%で、H5N1・H5N6・H7N9の集積で高い致死率が報告されています。軽症例が拾われると見かけの率は下がりますが、入院例を5%以下とはいえません。

d.病鳥との密接な接触でヒトに感染する。正しい。感染鳥の唾液・粘液・糞などの分泌物の吸入や直接接触が感染経路です。

e.治療にノイラミニダーゼ阻害薬を用いる。正しい。オセルタミビルやザナミビルを用います。耐性や感受性低下の報告があり、現在はエンドヌクレアーゼ阻害薬バロキサビルも選択肢です。

覚えるポイント

鳥インフルエンザはウイルス感染で、病鳥との接触で感染し、治療はノイラミニダーゼ阻害薬。インフルエンザ菌と混同しない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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