第104回医師国家試験 A2(2010年)
正答:c・d
問題
乳児の細菌性髄膜炎の起炎菌として頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
a.大腸菌
b.緑膿菌
c.肺炎球菌
d.インフルエンザ菌
e.B群溶血性レンサ球菌
正答の理由
公式正答はc・dです。日本の診療ガイドラインは、肺炎球菌とインフルエンザ菌を4か月以上で本来最も発症頻度の高い菌と位置づけています。2010年の出題当時はワクチン定期接種前で、この2菌を選ぶ問題でした。ただし2013年の定期接種化後はHib髄膜炎が約90%、肺炎球菌髄膜炎が約70%減少しており、現在の疫学は同じではありません。
各選択肢の検討
a.大腸菌。公式正答ではない。主に生後1か月未満の起炎菌で、出産時の母親からの垂直感染が関わります。乳児全般より新生児で重視します。
b.緑膿菌。誤り。ガイドラインの4か月〜5歳の主要菌には挙げられず、記載があるのは50歳以上などです。免疫不全や手術後など背景のある例で考える菌です。
c.肺炎球菌。正しい。4か月以上の小児で頻度の高い起炎菌です。結合型ワクチンの普及で減少しましたが、依然として重要です。
d.インフルエンザ菌。正しい。b型(Hib)は乳幼児髄膜炎の代表的な起炎菌でした。Hibワクチンの定期接種化後は激減しています。
e.B群溶血性レンサ球菌。公式正答ではないが臨床上は重要。生後1か月未満と、1〜3か月の遅発型で最も問題になる菌で、早期乳児では誤りといえません。出題の「乳児」を月齢で分けて理解します。
覚えるポイント
新生児〜3か月はGBS・大腸菌、4か月以降は肺炎球菌・インフルエンザ菌。Hib・肺炎球菌はワクチン定期接種後に大きく減少。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。