黒色便とショック徴候の初期検査|第103回医師国家試験H29

第103回医師国家試験 H29(2009年)

正答:d

問題

46歳の男性。黒色便と倦怠感とを主訴に来院した。3日前に腹部不快感が出現しタール状の黒色便を排泄した。昨夜も黒色便を排泄し倦怠感も出現した。意識は清明。体温36.7℃。脈拍108/分、整。血圧90/70mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。腹部は平坦、軟。血液検体を採取後、静脈路を確保し輸液を開始した。

まず行うのはどれか。

a.腹部超音波検査

b.小腸造影

c.腹部単純CT

d.上部消化管内視鏡検査

e.下部消化管内視鏡検査

正答の理由

タール便は典型的には上部消化管出血を示し、頻脈と低めの血圧、貧血から出血量も少なくありません。輸液を始めたあとの次の一手は、診断と止血を同時に行える上部消化管内視鏡検査です。公式正答はdです。ショックは内視鏡の絶対禁忌に挙げられるので、輸液の反応を見て状態を安定させながら進めます。

各選択肢の検討

a.腹部超音波検査。肝硬変や門脈圧亢進の評価には使えますが、出血源の確認も止血もできません。

b.小腸造影。タール便の主な出血源は上部消化管で、小腸病変はまれです。最初に選ぶ検査ではありません。

c.腹部単純CT。その場で止血できません。上部消化管出血の疑いでは、診断と止血を兼ねる内視鏡を優先します。

d.上部消化管内視鏡検査。食道、胃、十二指腸を観察し、その場で止血処置もできます。

e.下部消化管内視鏡検査。主に血便の評価に使います。タール便では先に上部消化管を調べます。

覚えるポイント

タール便+循環不安定は輸液を始めて上部内視鏡。診断と止血を同時に行える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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