第103回医師国家試験 H10(2009年)
正答:e
問題
7か月乳児の発達評価に有用なのはどれか。
a.深部反射
b.病的反射
c.表在反射
d.原始反射
e.姿勢反射
正答の理由
新生児期にみられる原始反射の多くは月齢とともに消えます。乳幼児健診の手引きでは、3〜4か月は原始反射から離れる時期で、Moro反射は4か月までに消失するとされます。代わって姿勢を保つ反応が現れ、9〜10か月に平衡反応が出現してパラシュート反射が確立します。7か月そのものの基準は資料にありませんが、前後の月齢からみて、この時期は姿勢反射の出現を追うのが発達評価に合います。公式正答はeです。
各選択肢の検討
a.深部反射。誤り。神経系の障害部位を調べる所見で、月齢に応じた発達段階を示す目安にはなりにくい検査です。
b.病的反射。誤り。Babinski反射は2歳ごろまでは正常でもみられ、乳児の発達評価には使いにくい所見です。
c.表在反射。誤り。腹壁反射などは左右差から上位運動ニューロン障害を考える所見で、発達段階の評価には用いません。
d.原始反射。誤り。多くは成長とともに消えていく反射で、Moro反射は4か月までに消失します。消えるべき時期に残っていれば異常の手がかりになりますが、7か月の発達段階は姿勢反射の方が示しやすいと考えます。
e.姿勢反射。正しい。パラシュート反射のように姿勢を保つ反応が月齢とともに現れ、到達の目安になります。手引きでは10か月で前方パラシュート反射がなければ異常です。在胎34〜36週で生まれた児の追跡研究では、完全な前方パラシュート反応は6か月で19%、9か月で59%でした。
覚えるポイント
原始反射は消えていく、姿勢反射は現れてくる。7か月は姿勢反射を見る。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Infant reflexes: MedlinePlus Medical Encyclopedia
- Development of the forward parachute reaction and the age of walking in near term infants: a longitudinal observational study
- Babinski reflex: MedlinePlus Medical Encyclopedia
- Deep Tendon Reflexes | Stanford Medicine 25
- 改訂版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(国立成育医療研究センター)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。