第103回医師国家試験 G16(2009年)
正答:a・b・c
問題
多臓器不全〈MOF〉でみられるのはどれか。3つ選べ。
a.尿量減少
b.低酸素血症
c.乳酸アシドーシス
d.血清アルブミン増加
e.血清クレアチニン減少
正答の理由
多臓器不全では組織灌流の低下と炎症で複数の臓器が障害されます。腎では急性尿細管壊死で乏尿と血清クレアチニン上昇、肺ではARDSなどで低酸素血症、組織では嫌気性代謝で乳酸が増えます。炎症で毛細血管透過性が高まるとアルブミンは血管外へ出るので、血清アルブミンは下がる方向です。公式正答はa、b、cです。現在は多臓器機能障害(MODS)とも呼びます。
各選択肢の検討
a.尿量減少。正しい。腎灌流の低下から急性尿細管壊死、腎不全に進み、乏尿になります。
b.低酸素血症。正しい。肺が標的になりやすく、ARDSでは酸素投与に反応しにくい低酸素血症を呈します。
c.乳酸アシドーシス。正しい。細胞への酸素供給が不足して嫌気性代謝に傾き、乳酸が増えて代謝性アシドーシスになります。
d.血清アルブミン増加。誤り。炎症で毛細血管透過性が高まりアルブミンが血管外へ漏れ、半減期も短くなるため低下します。
e.血清クレアチニン減少。誤り。腎機能障害では血清クレアチニンは進行性に上昇します。
覚えるポイント
多臓器不全では乏尿、低酸素血症、乳酸アシドーシス、クレアチニン上昇、低アルブミン血症がみられる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Shock – MSD Manual Professional Edition
- Sepsis and Septic Shock – MSD Manual Professional Edition
- Hypoalbuminemia: Pathogenesis and Clinical Significance
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。