高音漸傾型の両側感音難聴|第103回医師国家試験E54

第103回医師国家試験 E54(2009年)

正答:c

問題

63歳の男性。難聴と耳鳴りとを主訴に来院した。オージオグラム(別冊No. 4)を別に示す。

考えられるのはどれか。

a.耳硬化症

b.Ménière病

c.老人性難聴

d.突発性難聴

e.ムンプス難聴

オージオグラム。両耳の気導閾値がほぼ重なり、低音域約10dBから4,000Hzの50〜55dBへ低下し、8,000Hzで約40〜45dBへやや回復する。
別冊No. 4 / 出典:厚生労働省・第103回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

公式正答はcです。図では左右の気導閾値がほぼ重なり、125〜250Hzは約10dB、1,000Hzは約25dB、4,000Hzは50〜55dBと高音ほど低下します。骨導の括弧記号も気導の近くにあり、大きな気骨導差は目立ちません。両側性・高音優位の感音難聴で、MSDマニュアルが述べる老人性難聴(高音から始まり、55〜65歳ごろに2〜4kHzへ及ぶと自覚される)に合います。ただし8,000Hzは4,000Hzより少し回復しており、騒音の関与は図だけでは否定できません。選択肢の中ではcが最も適合します。

画像の見方

本解説の読影では、左右の気導(○と×)はほぼ重なり、高音ほど閾値が上昇します。最大は4,000Hzで、8,000Hzはやや回復します。骨導の括弧記号は気導の近くにあり、明らかな気骨導差は指摘しにくい図です。

各選択肢の検討

a.耳硬化症。誤り。伝音難聴の代表で、発症は20〜30歳代、緩徐進行が特徴です。気骨導差の目立たない本図とは合いません。

b.Ménière病。誤り。変動する低音域の感音難聴と反復性めまい、耳閉感が特徴です。本図は低音が保たれ、めまいの記載もありません。

c.老人性難聴。正しい。加齢に騒音曝露などが加わる感音難聴で、高音域から進みます。年齢・両側性・図の形が一致します。

d.突発性難聴。誤り。急に発症し、初期は通常一側性です。急な発症の記載がなく、左右がほぼ対称の本図とは合いません。

e.ムンプス難聴。誤り。ムンプスは急性感音難聴のウイルス性原因の一つですが、先行する感染の記載がなく、急性発症の経過も示されていません。

覚えるポイント

両側対称の高音漸傾型感音難聴は老人性難聴。伝音なら気骨導差、Ménièreは低音変動を確認する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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