失神で専門医へ紹介する病歴|第103回医師国家試験E40

第103回医師国家試験 E40(2009年)

正答:a・b・d

問題

16歳の女子。全校集会で長時間の立位後に失神して倒れたため校医を受診した。目撃者によると意識は1分以内に回復し、すぐに立ち上がることができた。失神前に嘔気と胸痛とを自覚したという。2年前にもランニング中に失神したことがあった。身体診察で異常所見を認めない。母方の叔父が突然死している。校医は専門医に紹介した。

紹介する根拠となった病歴はどれか。3つ選べ。

a.運動中の失神

b.失神前の胸痛

c.失神の持続時間

d.突然死の家族歴

e.長時間の立位後の失神

正答の理由

今回の失神は長時間の立位後で嘔気の前兆もあり、それだけなら反射性失神に合います。しかし運動中の失神、胸痛、突然死の家族歴は、心原性失神を疑う警告所見です。診察が正常でも肥大型心筋症や不整脈などは否定できないため、専門医での評価につなげます。公式正答はa、b、dです。

各選択肢の検討

a.運動中の失神。正しい。労作中の失神は赤旗所見で、構造的心疾患や不整脈を疑います。

b.失神前の胸痛。正しい。胸痛は心疾患を示唆する警告症状として小児失神の指針にも挙げられています。

c.失神の持続時間。誤り。1分以内の回復は心原性を否定せず、流出路閉塞による失神でも回復は速いので、紹介の根拠にはなりません。

d.突然死の家族歴。正しい。原因不明の突然死の家族歴は遺伝性の心筋症や不整脈を疑う赤旗所見です。

e.長時間の立位後の失神。誤り。静脈へ血液が貯留して起こる良性の失神に典型的な誘因で、単独では紹介の根拠になりません。

覚えるポイント

失神の赤旗は運動中、胸痛、突然死の家族歴。立位後の失神と短い持続時間は根拠にならない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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