第103回医師国家試験 E38(2009年)
正答:c
問題
水痘が重症化しやすいのはどれか。
a.慢性肉芽腫症
b.好中球減少症
c.DiGeorge症候群
d.Chédiak-Higashi症候群
e.X連鎖性無ガンマグロブリン血症
正答の理由
水痘などのウイルス感染の制御には細胞性免疫が重要です。MSDマニュアルはT細胞の異常がウイルスや日和見病原体への感染を起こしやすくするとし、その代表にDiGeorge症候群を挙げます。胸腺の低形成・無形成でT細胞が障害されるためです。CDCの勧告も、液性免疫の障害では水痘ワクチンを接種できるのに対し、細胞性免疫不全の小児には勧めていません。公式正答はcです。
各選択肢の検討
a.慢性肉芽腫症。誤り。貪食細胞の殺菌能の異常で、カタラーゼ産生菌による反復性の膿瘍が特徴です。
b.好中球減少症。誤り。好中球は貪食細胞で、MSDは貪食細胞の異常では皮膚のブドウ球菌やグラム陰性菌の感染が特徴とします。水痘に特有の重症化要因としては扱われていません。
c.DiGeorge症候群。正しい。胸腺の低形成・無形成によるT細胞の異常で、ウイルス感染に弱くなります。
d.Chédiak-Higashi症候群。誤り。MSDの分類では貪食細胞の異常で、皮膚の黄色ブドウ球菌やグラム陰性菌の感染が典型です。部分白皮症や出血傾向も伴います。
e.X連鎖性無ガンマグロブリン血症。誤り。B細胞系の異常で反復性の副鼻腔・肺感染が中心です。液性免疫の障害では水痘ワクチンも接種可能とされます。
覚えるポイント
水痘の重症化は細胞性免疫(T細胞)の障害で考える。代表がDiGeorge症候群。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Overview of Immunodeficiency Disorders – MSD Manual Professional Edition
- Chronic Granulomatous Disease (CGD) – MSD Manual Professional Edition
- Prevention of Varicella: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (MMWR 2007)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。