第103回医師国家試験 E18(2009年)
正答:a
問題
ヒト-ヒト間でのみ感染が伝播するのはどれか。
a.天然痘
b.炭疽
c.ペスト
d.ボツリヌス症
e.野兎病
正答の理由
天然痘ウイルスはヒトだけを自然宿主とし、環境中でも長く生存できません。だからこそ、ヒトの間の伝播を断つことで根絶できました。他の4肢は動物、節足動物、土壌、毒素などヒト以外の感染源・原因を持ちます。公式正答はaです。
各選択肢の検討
a.天然痘。正しい。天然痘ウイルスの自然宿主はヒトだけで、飛沫吸入や直接接触によりヒトからヒトへ伝播します。自然感染は根絶が宣言されています。
b.炭疽。誤り。感染した動物や動物製品、芽胞を含む土壌との接触が主な感染源です。皮膚炭疽でごくまれにヒト-ヒト伝播があるだけで、吸入炭疽・消化管炭疽ではヒト-ヒト伝播しません。
c.ペスト。誤り。主に野生げっ歯類の感染症で、ノミの刺咬で伝播します。肺ペストの飛沫ではヒト-ヒト伝播もありますが、それだけではありません。
d.ボツリヌス症。誤り。毒素の経口摂取・吸入・注入や、芽胞の摂取後に腸管内で産生された毒素で起こる中毒で、ヒト-ヒト感染の経路で説明する疾患ではありません。
e.野兎病。誤り。ウサギ類やげっ歯類などの感染動物やダニ等の節足動物から感染し、ヒトからヒトへは広がりません。
覚えるポイント
天然痘はヒトだけが自然宿主。炭疽・ペスト・野兎病は動物由来、ボツリヌス症は毒素による中毒。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Smallpox(MSD Manual Professional Edition)
- Anthrax(MSD Manual Professional Edition)
- Plague and Other Yersinia Infections(MSD Manual Professional Edition)
- Botulism(MSD Manual Professional Edition)
- Tularemia(MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。